研究課題/領域番号 |
15H01895
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
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研究分担者 |
秋葉 淳 千葉大学, 文学部, 准教授 (00375601)
小笠原 弘幸 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
二宮 文子 青山学院大学, 文学部, 准教授 (40571550)
清水 和裕 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (70274404)
真下 裕之 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (70303899)
後藤 裕加子 関西学院大学, 文学部, 教授 (80351724)
高松 洋一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (90376822)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | カリフ / 正統性 / イスラーム国家 / 系譜 / 宗派 |
研究実績の概要 |
4月にHakan Karateke氏(シカゴ大学)を招聘し、国際ワークショップ"Authority, Legitimacy and Historiography in the Ottoman Empire"を開催した。また、羽田記念館で特別講演会、東京外国語大学本郷サテライトで氏を囲む会をそれぞれ開催した。 7月16日にシンポジウム「イスラームの王権をみる視角」を関西学院大学で開催した。アッバース朝、デリー・サルタナト、サファヴィー朝、オスマン朝について、研究分担者を主に4名の報告があり、さまざまな角度からイスラームの王権を研究する意義について、議論が行われた。 8月には1名、連携研究者を資料調査のためイランに派遣した。 1月10日・11日にアジア・アフリカ言語文化研究所で行われた第9回オスマン文書セミナーを共催した。マズバタとマフザルという二つの文書形式について、実例を踏まえながら、解説・講読した。 3月にJudith Pfeiffer氏、Evrim Binbas氏(いずれもボン大学)を招聘した。3月19日に国際ワークショップState, Religion, and Authority in the Post-Mongol Persianate World and Beyondを開催し、22日に国際ワークショップDynamics in Middle Eastern Societies during the Mongol Periodを開催、さらに同志社大学で講演会を行った。 3月中旬に開催予定であったAssociation for the Study of the Persianate Societiesの大会に二つのパネルを出すべく、準備をしていたが、アメリカ新大統領の政策により、大会がキャンセルになったため、イラン、トルコにおいて資料調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度、2016年度とも、Azfar Moin, Hakan Karateke, Judith Pfeiffer, Evrim Binbasと各分野で著名な研究者を招聘し、若手研究者の報告も含めた国際ワークショップを開催して、この分野の研究水準を押し上げるとともに、若手研究者の研究スキルの向上に寄与し、日本の研究水準に対する理解を広めているため。 年一度のシンポジウムには、研究分担者、連携研究者が報告して活発な議論が行われるとともに、中堅・若手研究者や大学院生など多くの研究者が参加し、さながらイスラーム史最大のイベントであるかのような活況を呈しているため。 オスマン文書セミナーを共催し、この分野の若手研究者や大学院生のスキルアップに貢献するとともに、オスマン朝の王権の性格を考察する上で、不可欠な材料を提供しているため。 なお、残念ながら2017年3月、イラン、シーラーズの学会にパネルを出す計画は、学会の中止により頓挫したが、代替の大会が2018年3月にグルジア、トビリシで開催されるため、そこにパネルを出す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、本科研プロジェクトの特徴である、公開性と国際性を重視して、研究を進めていく。29年度も、2名の著名な研究者を招聘する予定であり、また、例年通り国内シンポジウムを開催する。また、3月のトビリシのAssociation for the study of the Persianate Society の大会には、再度パネルを組むべく準備している。「系譜と王権」が大きなテーマである。 全体としては、30年度に開催する国際学会の準備に着手する。アラブ圏、イラン、トルコ、南アジアの王権と正統性に関する、規模の大きなものになる予定である。また、成果とりまとめの方法についても、十分分担者と協議し、少しずつ決定していく予定である。 海外からの研究者の招聘と、海外における学会報告、資料調査に多くの費用を割いているので、特定の地域の内戦や政情不安の影響を受ける可能性がある。そのため、国際情勢には十分配慮しつつ、いくつかのバックアッププランを考えながら研究を進めていきたい。
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