研究課題/領域番号 |
15H01895
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
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研究分担者 |
秋葉 淳 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (00375601)
小笠原 弘幸 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
二宮 文子 青山学院大学, 文学部, 准教授 (40571550)
清水 和裕 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (70274404)
真下 裕之 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (70303899)
後藤 裕加子 関西学院大学, 文学部, 教授 (80351724)
高松 洋一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90376822)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | イスラーム / 王権 / カリフ / スルタン / 神聖王権 |
研究成果の概要 |
本研究は、イスラームの王権の通史的な変遷について、従来とは異なる可能性を示したものである。カリフとスルターン概念ですべてを説明してしまう姿勢に見られるような、イスラーム圏の中心を設定して、バグダードからカイロ、イスタンブルへと中心が移っていく古典的単線型の歴史像に対して、複線型の歴史を提案した。北アフリカ・西アフリカのように、そもそもスルターンという概念すら入ってこなかった地域もあれば、ペルシア語文化圏のように、非イスラーム的要素も含めたさまざまな手段によって神聖王権として君臨した地域もあった。そして、従来古典的概念でしか語られなかったオスマン朝も、神聖王権の一つとして理解される。
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自由記述の分野 |
歴史学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イスラームの王権のあり方の多様性、地域性を示すことで、多様なムスリム社会のあり方を示すことができた。単にクルアーンやスンナだけに基づくだけではなく、さまざまな文化伝統と接触する中で、イスラーム諸王朝の王権が形成されてきたことが明らかとなった。ペルシア的伝統、テュルク=モンゴル的伝統、千年王国論、オカルト科学など、さまざまな要素が時の王権を正統化するために援用されてきたのである。これまで、研究者も教義に基づく単純化されたカリフ論、政治論に引きずられる傾向もあったが、歴史研究としてその複雑なあり方を史料に基づいて理解することの重要性を示すことができた。
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