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2015 年度 実績報告書

知的財産権と憲法的価値

研究課題

研究課題/領域番号 15H01928
研究機関明治大学

研究代表者

高倉 成男  明治大学, 法務研究科, 専任教授 (00440165)

研究分担者 伊藤 一頼  北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (00405143)
熊谷 健一  明治大学, 法務研究科, 専任教授 (20264004)
大野 幸夫  明治大学, 法学部, 専任教授 (20282965)
金子 敏哉  明治大学, 法学部, 専任准教授 (20548250)
夏井 高人  明治大学, 法学部, 専任教授 (30298038)
横山 久芳  学習院大学, 法学部, 教授 (30313050)
栗田 昌裕  龍谷大学, 法学部, 准教授 (30609863)
中山 信弘  明治大学, 研究・知財戦略機構, 特任教授 (40009816)
江島 晶子  明治大学, 法務研究科, 専任教授 (40248985)
大日方 信春  熊本大学, 法学部, 教授 (40325139)
武生 昌士  法政大学, 法学部, 准教授 (40709333)
比良 友佳理  京都教育大学, 教育学部(社会科学科), 講師 (40733077)
佐々木 秀智  明治大学, 法学部, 専任教授 (50303037)
今村 哲也  明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (70398931)
大林 啓吾  千葉大学, 大学院専門法務研究科, 准教授 (70453694)
山根 崇邦  同志社大学, 法学部, 准教授 (70580744)
木下 昌彦  神戸大学, 法学研究科, 准教授 (90456096)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード知的財産法 / 憲法 / 国際経済法 / 国際人権法 / 基本権
研究実績の概要

(1)平成27年4月に研究分担者等による第1回目の会合を開催し、課題設定に至った背景や出発点となる問題意識についての共有が行われた。効率的で適切な研究の推進のために全体を6つのサブテーマ(「研究の目的」欄に記載)に分けて進めることとし、各テーマについての主担当者を定めた。さらに、今後の研究の基礎となる基本的認識(例えば、国際人権システム、WTO等国際経済法、アメリカ憲法、ドイツ基本法等と知財権の関係など)を共有するとともに、今後5カ年の研究計画についての情報共有を行った。
(2)同年7月に「知的財産権と憲法的価値研究会」を立ち上げ、メーリングリストを作成し、研究拠点と連絡体制を整えた。第1回目の研究会を同年8月に開催し、宍戸常寿東大教授及び山田哲史岡山大准教授にそれぞれ「憲法適合的解釈について」及び「我が国の憲法訴訟における憲法適合的解釈の位置づけ」というテーマでの報告をいただき、知的財産権と憲法上の基本権に衝突の調整のあり方について討論を行った。また同年12月開催の第2回会合では木下昌彦神戸大准教授に実際の裁判例に基づいて「著作権に基づく出版物の事前差止と事前抑制の法理」と題するテーマでの報告をいただいた。
(3)研究代表者の高倉は、平成28年3月に「農業・環境問題と知財の関係」に関する研究のため欧州を訪問し、国連食糧農業機関(FAO)及び欧州共同体植物品種庁(CPVO)の担当者との意見交換及び情報収集を行った。この出張の成果は平成28年4月に日本知財学会研究会において報告された。研究代表者によるその他の研究実績として(論文等は別掲)、①農林水産省地理的表示保護委員会委員、②経済産業省委託事業「国際知財問題研究会」委員、③日本バイオインダストリー協会「生物多様性条約タスクフォース」委員としての研究会参加などをあげることができる。(他の研究分担者等の実績は別掲)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)研究分担者等をメンバーとする「知的財産権と憲法的価値」研究会を設置し、2回の研究会が行われた。特に今年度の主要テーマの1つであった「著作権と表現の自由」については裁判実例の分析が深く行われた。ただし、研究会の総回数は、当初の計画よりやや少なかった。この点は平成28年度においていっそうの充実を図りたいと考えている。
(2)欧米の動向調査については、EUの知財政策担当者等とのインタビューを通じて、農業等の公共政策上の目的の遂行のために知的財産権を制限する場合の考え方についての情報が得られ、また米国の裁判例についてはワシントン大学の竹中俊子教授から多くの示唆を得ることができた。
以上の点に加えて、研究代表者及び研究分担者等による研究も進捗しており(別掲)、本研究はおおむね順調に進展していると評価してよいと思われる。

今後の研究の推進方策

平成28年度は基本的には前年度と同様に「情報の整理と収集」を継続するが、平成29年度以降の「総合研究」のステージのための有益な基礎を築くことができるよう、特に次の点に留意をして研究を推進する。
第1に、憲法上の基本権と知的財産権の調整原理(例えば、EU法における「比例性原則」、アメリカにおける「憲法審査基準」)に焦点を当てて調査を進める。このために、EU法、アメリカ憲法の専門家との意見交換を行う。
第2に、6つのサブテーマの間の「横のつながり」を意識した調査を進める。このために、各サブテーマの主担当者の間の情報共有をさらに強化する。
第3に、研究が過度に観念論化しないよう知的財産権制度の利用者(産業界の関係者)との意見交換も並行して行う。そのことの一環として、研究代表者(高倉)は平成28年5月に日本知的財産協会総会において「知財の哲学」という演題で報告を行い、関係者の意見を聴取する予定である。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (13件)

  • [雑誌論文] 著作権法15条1項をめぐる系譜的考察2016

    • 著者名/発表者名
      山根崇邦
    • 雑誌名

      日本工業所有権法学会年報39号

      巻: - ページ: 57-130

  • [雑誌論文] 商標と表現の自由(一)2016

    • 著者名/発表者名
      大日方信春
    • 雑誌名

      熊本法学136号

      巻: - ページ: 71-122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 植物の名称の不公正な使用と景品表示法の適用2016

    • 著者名/発表者名
      夏井高人
    • 雑誌名

      法律論叢

      巻: 88 ページ: 23-168

  • [雑誌論文] 国有企業・政府系ファンドに対する諸国の外資規制―開放性と安全保障の両立をいかにして図るか―2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤一頼
    • 雑誌名

      (独)経済産業研究所ディスカッションペーパー

      巻: - ページ: 1-41

  • [学会発表] 知財教育に関する研究論文の執筆について2015

    • 著者名/発表者名
      高倉成男
    • 学会等名
      日本知財学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2015-12-05
  • [学会発表] EUにおける農業と知財2015

    • 著者名/発表者名
      高倉成男
    • 学会等名
      日本EU学会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2015-11-20
  • [学会発表] 反特許政策の意義と限界―オランダとスイスの経験を素材として-2015

    • 著者名/発表者名
      山根崇邦
    • 学会等名
      平成27年度日中知的財産に関する共同研究東京会議
    • 発表場所
      学士会館
    • 年月日
      2015-08-20
  • [学会発表] 著作権法15条1項をめぐる正当化根拠の系譜的考察2015

    • 著者名/発表者名
      山根崇邦
    • 学会等名
      日本工業所有権法学会・著作権法学会合同研究大会
    • 発表場所
      一橋大学
    • 年月日
      2015-06-06
  • [学会発表] これからのアカデミアに求められること(座談会)2015

    • 著者名/発表者名
      高倉成男
    • 学会等名
      日本工業所有権法学会・著作権法学会合同研究大会
    • 発表場所
      一橋大学
    • 年月日
      2015-06-06
  • [図書] 平成27年度知的財産保護包括協力事業報告書2016

    • 著者名/発表者名
      高倉成男(掲載論文名「知的財産推進計画に基づいて行われた過去12年間の知的財産法の改正をふり返って」)
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      一般財団法人知的財産研究所
  • [図書] 知的財産法Ⅱ 著作権法2016

    • 著者名/発表者名
      山根崇邦(共著)
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      有斐閣
  • [図書] 平成27年度知的財産保護包括協力事業報告書2016

    • 著者名/発表者名
      山根崇邦(掲載論文名「反特許政策の意義と限界――オランダとスイスの経験を素材として」)
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      一般財団法人知的財産研究所
  • [図書] 小野昌延=山上和則=松村信夫編『不正競争の法律相談Ⅰ』2016

    • 著者名/発表者名
      山根崇邦(掲載論文名「不正競争防止法2条1項7号の『その営業秘密を示された場合』」)
    • 総ページ数
      441
    • 出版者
      青林書院
  • [図書] 金井重彦=鈴木將文=松嶋隆弘編『商標法コンメンタール』2016

    • 著者名/発表者名
      山根崇邦(掲載論文名「29条 他人の特許権等との関係」)
    • 総ページ数
      1115
    • 出版者
      レクシスネクシス・ジャパン
  • [図書] 中山信弘編集代表『知的財産・コンピュータと法―野村豊弘先生古稀記念論文集』2016

    • 著者名/発表者名
      大林啓吾(掲載論文名「表現の自由と著作権-欧米の動向と日本の状況」)
    • 総ページ数
      1088
    • 出版者
      商事法務
  • [図書] 金井重彦=鈴木將文=松嶋隆弘編『商標法コンメンタール』2016

    • 著者名/発表者名
      栗田昌裕(掲載論文名「第39条(特許法の準用」)
    • 総ページ数
      1115
    • 出版者
      レクシスネクシス・ジャパン
  • [図書] 小泉直樹・田村善之編著『はばたき―21世紀の知的財産法―中山信弘先生古稀記念論文集』(2015

    • 著者名/発表者名
      高倉成男(掲載論文名「知的財産推進計画の成果と課題―特許制度を中心として」))
    • 総ページ数
      1087
    • 出版者
      弘文堂
  • [図書] 上野達弘・西口元編著『出版をめぐる法的課題 その理論と実務』2015

    • 著者名/発表者名
      横山久芳(掲載論文名「出版契約の種類」)
    • 総ページ数
      472
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 小泉直樹・田村善之編著『はばたき―21世紀の知的財産法―中山信弘先生古稀記念論文集』(2015

    • 著者名/発表者名
      横山久芳(掲載論文名「著作権法における応用美術の保護のあり方」)
    • 総ページ数
      1087
    • 出版者
      弘文堂
  • [図書] 設楽隆一他編著『現代知的財産法 実務と課題』2015

    • 著者名/発表者名
      横山久芳(掲載論文名「共同著作の成立要件」)
    • 総ページ数
      1376
    • 出版者
      発明推進協会
  • [図書] 上野達弘・西口元編著『出版をめぐる法的課題 その理論と実務』2015

    • 著者名/発表者名
      今村哲也(掲載論文名「孤児著作物制度に関する展望」)
    • 総ページ数
      472
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 『情報法概説』2015

    • 著者名/発表者名
      栗田昌裕ほか(共著)
    • 総ページ数
      404
    • 出版者
      弘文堂

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公開日: 2017-01-06  

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