研究課題/領域番号 |
15H01959
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中村 靖 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (60189066)
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研究分担者 |
田畑 伸一郎 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (10183071)
栖原 学 日本大学, 経済学部, 上席研究員 (50139078)
久保庭 眞彰 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (70111698)
上垣 彰 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70176577)
雲 和広 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70314896)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 帝政ロシア / ソ連 / ロシア連邦 / 経済統計 / 国民経済計算 / 歴史統計 / 経済成長 / 経済発展 |
研究実績の概要 |
本年度はまずこれまでの研究成果をレビューするために6月におこなわれた2017年比較経済学国際大会において150 Years of Russian Economic Development from a Perspective of Historical Statisticsと題するセッションを組織し,各国の研究者からの意見,批判を受けた. この学会およびその他の個々の研究報告等を通じて,ソ連期の価格,賃金,名目所得等のデータが体系的に収集されていないのではないかという指摘を繰り返し受けた.この点については,以前から研究グループ内で検討しており,帝政期,ソ連期,現代ロシア期を通じた名目系列の整備は,非市場経済であるソ連期の名目経済指標をそれだけで提示しても経済分析上の意味に乏しく,3期間の連続した統計を作成するという本研究の目的の下では,むしろ我々が「ソ連期名目指標に通常の経済的な意味がある」とみなしているとの誤解を与えかねないということからあえて独立した分野として設定しなかった.また価格,賃金のデータ自体は,各分担領域において収集されている. しかしながら,本研究の中心課題であるGDP推計に関連し,賃金,物価,所得のマクロ的統計指標がこれ以上存在しないかどうかは重要であるため,研究費を一部次年度に繰り越し,次年度にアーカイブ調査をおこなうこととした.具体的には1962年以降のソ連期の国民経済経済バランス集が利用可能ではないことを再度確認する.この文献は本研究のアーカイブ調査により1955-62年版の存在が明らかにされ,分析に利用されている. 以上の次年度に繰り越した課題を除き,上記国際学会での報告,および各自の個別報告を通じながら,日本語版,英語版書籍の原稿執筆を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に報告の通り,ソ連期の経済統計の一部についてアーカイブに利用可能なかたちで存在するかどうかの調査を再度次年度におこなうこととなった.この点以外は,日本語版書籍出版社との書籍製作作業開始,英語版書籍出版社へのオファー開始,また両書籍にむけた原稿の作成を研究メンバー全員が着実に進めている.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,上記のアーカイブ調査を2018年8-12月中におこないつつ,日本語版書籍用最終原稿にもとづく報告を2018年9月にワルシャワ経済大学でおこなわれる欧州比較経済体制学会で報告し,その結果をふまえて英語版書籍用最終原稿を年度末までに作成する.可能性は極めて低いと思われるがアーカイブ調査において,賃金,所得,物価に関するソ連期マクロ統計データが発見された場合は,日本語版,英語版の書籍に新規に章を加える.
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