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2015 年度 実績報告書

工業生産の再検討-伝統的産業クラスターから最先端への架橋-

研究課題

研究課題/領域番号 15H01963
研究機関公立鳥取環境大学

研究代表者

日置 弘一郎  公立鳥取環境大学, 経営学部, 教授 (70114022)

研究分担者 王 英燕  広島市立大学, 国際学部, 准教授 (10456759)
李 超  大阪国際大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10614646)
関 千里  愛知学院大学, 経営学部, 准教授 (70434256)
波積 真理  熊本学園大学, 商学部, 教授 (80271443)
大木 裕子  京都産業大学, 経営学部, 教授 (80350685)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード産業クラスター / 製品高度化 / プロデューサー
研究実績の概要

産業クラスター内でのもの作りが高度化するメカニズムの研究をおこなうために、中国景徳鎮の高度な磁器生産をモデルとして、これに日本のクラスターを対比させるという方向での研究をスタートした。しかし、これまでに中国では磁器を器というよりもインテリアとして用いる傾向が強く、最近急速に増えた高所得層が競って等人形や大型の亀や壺を購入している。それも、かつて持っていたが文革期に壊されたという事情から爆発的に購入し、あるいは接待用の贈答品として用いられているために、見かけのみの判断で価値が決まり、十分な審美眼を持つ消費者が少ないために、古い作品の写しが多く作られることになっている。高度な製品の生産というよりも、需要に応えるための生産という側面が強い。
景徳鎮に対して、有田は製品の売れ行きが芳しくない。有田というブランドに依存して高度なものつくりという側面が低下している。これまで有田の下請けとしての存在であった波佐見が現在非常に元気になってきていることと対比すると非常に大きな差が生じている。波佐見は有田焼としての出荷を産地名称の関係と佐賀県の有田、長崎県の波佐見という対立もあり、有田焼の名称を用いることができなくなったことが逆にバネになって東京進出を果たしている。
また、有田は人間国宝はいても、その作品が一般製品をリードするという性格を持たず、ハイエンドとボリュームゾーンが無関係でいる。このような産地ごとの特徴を明確にしていくことで、産業クラスター内でどのような高度化への嗜好がなされているかを明らかにした。これを他産地や他産業まで拡張することが予定されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外での学会報告や、海外調査をこなし、研究は順調であると評価できる。ただ、代表者が心臓疾患によって航空機の利用を制限されており、このために、旅費を一部繰り越すことを余儀なくされている。しかし、他の研究メンバーが代替して調査をおこなっており、さほど深刻な状況にあるわけではない。次年度以降も研究代表者は国内調査に専念し、他のメンバーが海外での状況を調査する。

今後の研究の推進方策

方向としては順調に推移しており、さらに事例を増やして高度なものつくりのための条件を明らかにしていく。陶磁器の集積についてはかなりの知見が得られており、研究書の出版まであと少しの状況になっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 産業クラスターのダイナミズム2017

    • 著者名/発表者名
      大木裕子
    • 総ページ数
      172
    • 出版者
      文真堂
    • ISBN
      978-4-8309-4930-2
  • [図書] 組織コミットメント再考2017

    • 著者名/発表者名
      王英燕
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      文真堂

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公開日: 2018-01-16  

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