1.理論的仮設の設定と修正: アメリカ、ヨーロッパ日本における大学組織、ガバナンスに関する文献を収集し、それにもとづいて検討を行った。特にアメリカにおいて大学ガバナンスに関する研究が、最近きわめて多く発表されていること、ヨーロッパにおいても研究が盛んになっていること、しかし研究の視点には大きな違いがあることを確認した。 2.実証分析: (1)国際比較: ドイツについて、カッセル大学高等教育研究所のクルッケン教授およびカッセル大学大学事務局教務担当者、ゲッティンゲン大学で教務担当者に聞き取り調査を行った。とくに教育プログラムの形成の手続きについて詳細に調査した。またオーストラリアでメルボルン大学、シドニー大学でインタビュー調査を行い、特に教員のガバナンス参加の携帯について詳細に聞き取りを行った。また録音にもとづいて、それぞれの内容を整理した。 (3)国内事例分析: 筑波大学、熊本大学、京都大学の各大学でインタビュー調査を行った。筑波大学については発足以来の組織の変化とその背景について詳細に聞き取りをおこなった。熊本大学、京都大学については、最近の組織改革とその背景について、学長、副学長からヒアリングを行った。これについても、録音に基づいて、一時的な記録を作成した。 (3) 大学・学部別データの作成・分析: 機関データベースの台帳を作成し、これをもとにこれまで作成した機関別データを、リレーショナルデータベースによって整理分析する基礎を作った。 3.理論的整理と変革可能性の検討: 大学組織・ガバナンスをめぐる基本的な問題について議論した。
|