研究課題
2007年に高温超伝導体Bi2212良質単結晶から作成されたメサ構造に直流電圧を印可することで強力な、しかも連続かつコヒーレントなTHz波が放出するという現象を発見した。この画期的な発見に端を発し、1.その発振現象を理解し、機構を解明すること、2.励起されるTHz波と超伝導プラズマ集団励起モードの関係を明らかにすること、3.外部共振器によるTHz波発振器の高性能化・高機能化と内部個別励起状態の研究、4.発熱による熱的な非平衡状態のTHz発振への影響の解明と窒素温度以上でのTHz発振動作を実用化レベルで実現すること、を主な研究目的として2015年4月に研究を開始した。その結果、1.THz波は高温超伝導体に内在する多数積層する固有ジョセフソン接合が交流ジョセフソン効果によってTHz帯域の電磁波を励起し、それがコヒーレントに多数位相同期することによって、積層する固有ジョセフソン接合の枚数の2乗に比例する強力な発振出力で発振するということが分かった。2.発振周波数はメサの形状によって規定される励起モードによって規定され、交流ジョセフソン効果の周波数とこの形状効果による共鳴周波数が一致することでさらに強力なTHz波として放出されること、3.したがって、外形によって決まる共振周波数を外部共振器に置き換えることで、超伝導体の持つ役割と形状効果が持つ共振器の役割を分離することで発振を制御しやすくなると期待されるが、これは最終年度までなかなか実現できなかった。しかし、外部共振器作製技術の向上に伴い、最終年度にこれを完成することができた。4,高発振出力を得るためには発熱を抑え、直流電力からTHz電磁波への変換効率を高める必要があるが、メサ内部に発生するホットスポットなどによる熱散逸の効果を抑制することで80 K、約0.05 mW、2.4 THzの発振素子が完成し、実用化まであと一歩に到達した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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