研究課題
本研究は回転体ミラーを用いた次世代の軟X線集光システムの開発を目的としている。特に、回転体ミラーを有効利用するため回転体ミラーの照明光学系にリング集光ミラーを利用することを提案している。本研究では効率的に研究を推進させるため、東京大学における高次高調波施設とSPring-8の軟X線ビームラインの2か所においてミラーの評価を行った。実験頻度の高い高次高調波施設で得た基礎実験結果をSPring-8の集光実験に活用した。2018年度、2019年度では東京大学において波長10nm~20nm高次高調波の回転体ミラーによる集光を行い400nmの集光を確認した。また、SPring-8の軟X線ビームラインBL25SUにおいては、既存のビームラインに合わせた集光光学系を設計した。東京大学で開発したリング集光ミラーと回転体ミラーを導入し、2段集光システムを構築した。そして波長4nmの軟X線の200nm集光を確認した。集光ビームの評価は、ナイフエッジ法による評価と位相回復法の一つであるタイコグラフィ法を用いた評価を実施した。本研究の当初の計画通り、提案した2段集光システムでは回転体ミラーの前段にビームストップが不要であり高いスループットの集光システムを完成させた。理論的に可能な軟X線集光サイズは50nm以下である。集光サイズが大きかった原因は回転体ミラー内面の形状誤差である。主として電鋳による転写精度がこの形状誤差を決めている。今後ミラーの形状精度を向上させ、さらなる微小軟X線集光を目指す。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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