研究課題
・SWIMSの光学系の組み上げ調整をおこない、光学系及び検出器をインストールした状態での真空及び冷却試験を行った。その結果、光学系は目標温度を達成し(<120K)、さらに焦点面に設置したピンホール像の検出器面での結像を確認することができた。結像性能は視野全面にわたって要求仕様(<2ピクセル)を満たしていることが確認できた。しかしながら、検出器位置が正しい焦点位置から0.6mm程度ずれていて、この調整を行う必要が明らかになった。また、検出器の到達温度が要求値(<85K)を満たしておらず、検出器箱を(温度が高い)光学系から熱的に分離して、冷却熱パスを追加する必要があることも判明した。・面分光ユニットのミラーアレイの製造技術の確立を理化学研究所の研究協力者とともに行った。当初予定していたダイアモンドビットによるシェーパー加工では要求面精度(<10nm RMS)が達成できないことが明らかになった。その代わりにダイアモンドエンドミルを用いたところ、制御パラメータの最適化により目標面精度が達成でき、これによりすべてのミラーアレイを製作することとした。また、面分光ユニットの支持機構の基礎設計および、そこへの高精度でのミラーユニット取り付け手法の検討を行った。・SWIMSを用いた観測可能性の検討、およびコミュニティとの共同研究などの推進のため、平成27年9月17,18日の二日間にわたり「SWIMS Science Workshop 2015」を開催した。30名を超える国内外の研究者が参加する盛況で、新たなサイエンスの展開などの議論が行われた。・平成29年度初頭に予定されているハワイへのSWIMSの輸送に向け、平成28年度に一部部品の輸送を開始した。
3: やや遅れている
当初は平成27年度末に研究協力機関である国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)に持ち込み、平成28年度よりハワイ観測所のヒロ山麓施設において組み立て調整を進める予定であった。しかしながら、年度末にハワイ観測所より受け入れ態勢が整わないため設置を延期する旨通知があった。このため、現地への輸送がおよそ一年遅延した。
平成29年1月に国立天文台ハワイ観測所から受け入れの正式許可が下り、そこからハワイ観測所への輸送手続きを進めている。現時点で平成29年6月に国内より発送し、その後8月にハワイに到着予定で、その後現地での調整を進めて平成29年末に望遠鏡への搭載試験を行い、平成29年度末より試験観測を開始する。当初予定より観測期間が減り、1年半程度となるが、観測天体の絞り込みなどで当初目的は達成できると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
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http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/TAO/swims/index.php