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2019 年度 研究成果報告書

ハイパー核ガンマ線分光で解明するΛN相互作用の荷電対称性

研究課題

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研究課題/領域番号 15H02079
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関東北大学

研究代表者

田村 裕和  東北大学, 理学研究科, 教授 (10192642)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード原子核物理学 / ハイパー核 / ガンマ線分光 / ストレンジネス / 荷電対称性 / ゲルマニウム検出器 / バリオン間相互作用
研究成果の概要

本研究は、J-PARCハドロン施設で4ΛHe,4ΛHハイパー核のγ線を精密測定して両者の構造の違いを調べ、昔の実験で示唆されていたΛハイパー核の荷電対称性の大きな破れが存否を実験的に決着させること目指した。まず4ΛHeの実験を実施し、励起状態1+と基底状態0+の間隔を1.406 MeVと決定した。これは過去に報告された4ΛHでの間隔1.09MeVと大きく離れていることから、大きな荷電対称性の破れの存在が明確になった。引き続き4ΛHのγ線測定によりその1+, 0+間隔を高精度で再測定する実験をJ-PARCの新たなビームラインで行うため、ファイバー飛跡検出器等の検出器群を開発し、実験準備を整えた。

自由記述の分野

実験核物理

研究成果の学術的意義や社会的意義

荷電対称性とは、原子核の陽子と中性子の間の対称性で、その破れは極めて小さい。今回の実験により、これがΛハイパー核では非常に大きくなることが初めて確定した。これは原子核物理学の基本的概念を揺さぶる重要な発見である。この大きな破れの起源は、さまざまな努力にもかかわらずまだ理論的に説明できないが、この発見を機に理論研究が大きく進展すると期待される。荷電対称性の破れは、uクォークとdクォークの小さな質量差を起源としているため、それがどのようにバリオン間相互作用に反映されるのかが明らかになれば、核力を含むバリオン間相互作用のより本質的な理解につながるであろう。

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公開日: 2021-02-19  

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