研究課題/領域番号 |
15H02090
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鶴 剛 京都大学, 理学研究科, 教授 (10243007)
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研究分担者 |
信川 正順 奈良教育大学, 教育学部, 特任准教授 (00612582)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | X線観測 / MeV宇宙線 / すざく衛星 / ひとみ衛星 |
研究実績の概要 |
フェルミ衛星やチェレンコフ望遠鏡により,GeV・TeVの銀河宇宙線陽子の情報が入手可能になった.一方,MeV宇宙線陽子のデータは地球のごく近傍を除いて未だ皆無である.この状況で,「すざく」の観測から申請者は,銀河面の中性鉄(6.4keV)輝線の起源がMeV陽子である事を発見した.そこで本研究は下記の目的の元,精密X線分光によるMeV銀河宇宙線陽子の研究を開拓する. 2016年2月に「ひとみ」衛星の打ち上げに成功した.3月末に通信異常が発生し,最終的にそのまま「ひとみ」衛星は失われることになってしまった.痛恨の痛みである.一方で,通信異常を起こす前に,数個の天体の観測を行うことに成功した.私たちが担当したX線CCDカメラは軌道上で完全に動作した.観測した天体及び,搭載した校正線源を用いて軌道上でのキャリブレーションを行い,地上で予定していた性能が発揮することを確認した.現在,CCDカメラのハードウェア論文と,CCDおよび他の観測装置を用いた観測論文を作成中である. これとは別に,「すざく」のアーカイバルデータを用いて,超新星残骸の投稿論文を作成し,無事アクセプトされている. わずか数個であったが,「ひとみ」衛星が観測して得たデータは非常に素晴らしいものであった.そこで,関係者の理解と努力により,代替機を打ち上げる計画の検討がはじまった.現時点で,X線マイクロカロリメーターと,X線CCDカメラを搭載することで検討が進んでいる.本研究も,このX線CCDカメラの再度実現へ向けて研究開発を進めることとした.今年度はその,ひとみ衛星用のCCDカメラに対して,代替機用のCCDカメラの改良点等を洗い出すことを行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ひとみ衛星搭載のX線CCDカメラの地上および機上でのキャリブレーションデータから,,特性関数の決定も行うことができた.全世界のユーザーが使用する解析ソフトに組み込みもほぼ終了した. 「ひとみ」衛星自身は失われてしまった.そのため,「ひとみ」衛星を用いた本格的な観測研究を行うことはできなくなってしまった.しかし,「すざく」衛星のアーカイバルデータが豊富に存在し,これを中心にデータ解析を行うことで,研究活動を継続している.
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今後の研究の推進方策 |
まずは「すざく」で得たデータの解析やNuSTAR等の衛星を用いて観測的研究を進める.さらに,今年度の研究から分子雲との相互作用の重要性がわかってきた.そこで,電波観測の研究者とも連携を取る.G166の野辺山45m鏡での観測も予定している.また,代替機用のX線CCDカメラの開発を進める.
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