研究課題
1)本年度は、昨年度までに見出した有機超伝導体(k-(h-ET)2Cu[N(CN)2]Br)からの光強電場による誘導放出の性質(励起強度、温度依存性など)を詳細に調べ、理論との比較も併せて、i)誘導放出の起源が電子的ブリージングモードと呼ばれる非線形電荷振動によるものであること、ii) 超伝導ゆらぎに関係すること、を明らかにした。また、高調波発生の測定を開始し、反転対称性を持つにも関わらず、偶数次高調波の発生を確認した。2) ハニカム格子(キタエフ型スピン液体候補物質であるモット絶縁体α-RuCl3の光強電場効果の研究を開始した。100 fs パルスを用いた近~中赤外過渡反射/透過測定及び6 fsパルスを用いた過渡反射測定を行い以下のことを明らかにした。ドルーデ的な電荷の応答(<100 fs)の他に、50 fs, 400 fsの時間スケールの複雑な応答が観測され、軌道やスピン自由度寄与が示唆される。4)κ-(ET)2Xの模型を含めて、二量体構造をもつ模型に強い光電場を印加した後に、電子のブリージングに対応する電荷振動が生じること、それは光電場の弱いときに現れるどの電荷振動よりも長寿命であることを、厳密対角化に基づく方法で示した。この電子的ブリージングモードが超伝導秩序と競合することを示した。5)二重交換系における光誘起磁性転移ダイナミクスについて詳細な理論解析を実施した。非平衡グリーン関数法を用いた定式により、強磁性スピン波が光照射により反強磁性に対応する波数においておソフト化が生じること、これが強い非平衡電子分布に起因することを明らかにした。更に、光による強磁性から反強磁性への過渡状態において磁気スカーミオンなどのトポロジカルなスピン構造が生じることを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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