研究課題
本基盤研究Aでの研究目標は、“マントル鉱物の結晶弾性のマントルその場条件での測定”である。GHz音波、X線、レーザー光のセル内への導入実績のあるダイヤモンドアンビルセル(DAC)を高圧装置として採用し、測定対象は重要なマントル鉱物であるワズレアイト、リングウタイト、ブリッジマンナイト(MgSiO3ペロブスカイト)、フェロ ペリクレース、CaSiO3ペロブスカイト、MgSiO3ポストペロブスカイトとしている。端成分組成のデータだけでなく、鉄やアルミ ニウム、さらには水の影響を解明するデータも重要である。非弾性X線散乱実験(IXS)では、NaClで20GPa、Taの単結晶弾性を約33GPaまで測定することに成功した。NaClの結果は論文として投稿中である。一方、Ptの20GPaまでの状態方程式を作成し論文として纏め、HPMPSの特集号に投稿し受理された。このPtと前年度の測定したAuの結果を比較検討中である。これらの状態方程式は、IXSで取得した体積弾性率と同時測定した格子定数のデータのみを使っており、一次圧力スケールと位置付けられるものである。このようにIXSでは順調に成果をあげた。一方GHz音速法も、重要な進展があった。すなわちDACで加圧した(約2GPa)鉄試料でP波速度、S波速度の両方の測定に成功した。シグナルのSN比は良好である。この成果は、DAC支持台と金属カップラーの改良により実現したものである。さらに測定力6kgwを印可した状態でルビースケール圧力測定を可能にする器具も作成した。世の中で確立している方法ではなく、自分で考えながらやっている研究手法である。最近の進歩に対し、手ごたえを感じており、成果を出せる日は近づいている。ここまでの技術開発については学会等で発表している。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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