研究課題/領域番号 |
15H02154
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坂和 洋一 大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (70242881)
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研究分担者 |
米田 仁紀 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (00210790)
松清 修一 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (00380709)
森田 太智 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (30726401)
山崎 了 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (40420509)
富田 健太郎 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (70452729)
佐野 孝好 大阪大学, レーザー科学研究所, 助教 (80362606)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レーザー宇宙物理額 / 無衝突衝撃波 / 磁気リコネクション / 協同トムソン散乱計測 / プロトンバックライト計測 |
研究実績の概要 |
高出力および高強度レーザーを用いて宇宙物理学の要素物理を明らかにする、レーザー宇宙物理学の確立を目指して実験を行っている。特に宇宙線加速に着目し、高出力レーザーによる無衝突衝撃波生成実験と磁気リコネクション実験、高強度レーザーを用いたイオン加速実験を行った。 無衝突ワイベル衝撃波生成実験(NIF-米国)では、CH/CH平行平板型ターゲットを用いて、対向プラズマ中でワイベル不安定性とそれによる衝撃波を生成し、自己生成磁場分布のD-3He核融合生成プロトンバックライト計測を行った。レーザー照射後 t = 3.3,6.1nsにおけるバックライトイメージを取得し、これまでのデータとあわせて、2.6-7.6nsまで約1ns刻みで磁場分布の時間発展を明らかにした。 強磁場衝撃波(激光XII号)では、約 0.5テスラの外部磁場下で薄膜にレーザーを照射し、プラズマからの輻射によって電離された窒素雰囲気ガスプラズマ中の無衝突衝撃波生成を行った。協同トムソン散乱を用いて衝撃波上流の電子・イオン温度、電子密度、自発光計測により衝撃波速度の計測を行った。 磁気リコネクション実験(激光XII号)では、インダクションコイルを用いて固体ターゲット周辺に約0.1テスラの反平行及び平行な磁場配位を生成し、協同トムソン散乱と可視自発光の時間発展計測を行い、反平行磁場配位時にリコネクションに起因すると思われるプラズマアウトフーロ速度と電子温度の上昇が観測された。 イオン加速実験では、CH薄膜を激光XII号 (GXII)レーザーによって電離した臨界密度程度のプラズマに、LFEXレーザー照射して無衝突静電衝撃波を生成し、衝撃波静電ポテンシャルによって加速されたプロトンのエネルギーを計測した。GXIIとLFEXの照射タイミングを変えて密度・スケール長を最適化する事によって、2.2MeV以上のプロトン発生を観測した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた実験を、ほぼ予定通り実行することができた。 無衝突ワイベル衝撃波生成実験(NIF)では、D-3He 核融合生成プロトン用いたプロトンバックライト計測により2.6-7.6 nsまで約1 ns刻みで磁場分布の時間発展を測定することができた。 強磁場衝撃波(激光XII号)では、協同トムソン散乱計測と光学計測によって、外部磁場印可時の衝撃波パラメータの詳細な計測を行った。 磁気リコネクション実験では、磁場コイルを用いた強磁場中でのリコネクション実験を行い、反平行磁場配位時にリコネクションを示唆する結果を得た。 イオン加速実験では、高強度レーザーLFEXを用いた無衝突静電衝撃波イオン加速実験行った。プラズマ密度とスケール長を変化させて、加速されたプロトンエネルギーと電子温度を流体および粒子シミュレーションの結果と比較・検討する事によって、無衝突静電衝撃波イオン加速を実証した。
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今後の研究の推進方策 |
無衝突ワイベル衝撃波生成実験(NIF)では、NIFで初めてプローブレーザーを用いた協同トムソン散乱計測を行い、衝撃波の上流と下流におけるプラズマ密度・温度・流速計測を行い、無衝突衝撃波の生成を明確に示す。 強磁場衝撃波(激光XII号)では、数Torrの水素または窒素雰囲気ガス中で最大5 Tのパルス磁場を生成し、無衝突磁化衝撃波生成実験を行う。さらに、これまでの垂直磁場に加えて、平行磁場中の無衝突衝撃波生成を行い、外部磁場方向に対する依存性を明らかにする。 磁気リコネクション実験では、インダクションコイルを用いた約1Tの反平行磁場配位中で、レーザーアブレーションプラズマによる磁力線輸送により、反平行磁力線を合体させて磁気リコネクションを駆動する。 高強度レーザーによるイオン加速実験では、高強度レーザー J-KAREN-P(量子科学技術研究開発機構)を用いた無衝突静電衝撃波イオン加速実験を行う。レーザーのプレパルスによってCH薄膜ターゲットをプラズマ化し、薄膜の厚さを制御することによって最適な密度・スケール長を持つ臨界密度程度のプラズマ中に無衝突静電衝撃波を生成しプロトンを加速する。
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