グラフェン骨格への3配位ホウ素の導入により,電子受容性の付与に留まらず,ホウ素のルイス酸性や配位数変化を利用した化学吸着能も付与でき,グラフェン化学の新たな展開が期待できる.ホウ素ドープグラフェンの本質的な性質の理解を目的に,モデルとなる幾つかのタイプのナノグラフェン材料をボトムアップ合成するとともに,ホウ素の導入によってこそ得られる特異な物性,現象の探索,追究に取り組んだ.種々の新規なホウ素π電子系の合成を達成するとともに,光反応性や化学吸着能の理解,溶液プロセスによる薄膜形成,両極性電荷輸送性を示す安定化ラジカルの合成などを達成した.
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