これまで報告のなかった多成分・微量成分に対するポンププローブ高速時間分解X線吸収分光計測を世界に先駆けて実現した。従来のポンププローブ高速時間分解X線吸収分光法では、放射光とレーザーの同期の問題からエネルギー分解能に乏しく時間分解能の高いX線検出器の利用が余儀なくされており、研究対象が高濃度金属錯体溶液などに限定されていたが、我が国の世界唯一のシングルバンチ放射光X線源PF-ARを活用することで、高エネルギー分解能を有する蛍光X線検出器が利用でき、迅速かつ容易に高速時間分解(約100ps)微量成分X線吸収スペクトルを計測することが可能となった。今後極めて広い科学技術分野への応用が期待できる。
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