研究課題
研究代表者は、自らが取り組んでいた“粒子径の揃ったサブミクロンサイズのゲル微粒子懸濁液”の研究における発見とマサチューセッツ工科大学のベネデック博士による“角膜の透明性”に関する研究報告から、微粒子やファイバーの集合体を用いれば、1)高強度で透明性の高い材料、および、2)角度依存性のない構造発色性材料が開発できるという着想に至った。微粒子の粒径やファイバーの直径が揃ったコロイド物質が短距離秩序を有する状態で配列すると、干渉性散乱が生じることで短距離秩序の距離の約2倍の長さの波長の光のみがあらゆる方向に散乱され、他の波長の光は相殺される。この原理を利用すれば、短距離秩序の距離に応じて無色透明な材料や角度依存性のない構造発色材料を構築できると考えた。そこで、粒径約110nmのシリカ微粒子を高分散化したエラストマーを調製した炉頃、光学的に透明な材料となった。。また、この材料は、力学的にも高靱性な物性を兼ね備えたこれまでにない材料となった。角膜の微細構造を模倣することによる光学的透明性と力学的高強度を兼ね備えた材料の開発はこれまでに行われておらず、バイオミメティクス材料やバイオインスパイアード材料としても注目の高い材料となるだろう。さらに、この原理を応用して、透明なコンクリートを構築できるようになれば、模倣の域を超えた新材料の創製となり、人類が鳥に憧れてジェット機を創り出したようなことに匹敵する。また、角度依存性のない構造発色性材料の構築に関しても、安全で安価などこにでもあるような材料を利用して、従来の色材に変わる非退色性の色材を創り出せる可能性がある。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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