研究課題/領域番号 |
15H02214
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 哲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30283724)
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研究分担者 |
高増 潔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70154896)
道畑 正岐 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (70588855)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | マイクロファクトリ / ナノマイクロ加工 |
研究実績の概要 |
光エネルギーが本来有している遠隔制御性・並列処理性・多重情報伝搬性と対象物体との相互作用で局在生成される近接場フォトンの能動的作用・受動的応答を利用して,数マイクロメートル程度の精密機能部品・デバイスを自律的に製造可能な数mm~数10mmスケールの超小型工場(セルインマイクロファクトリ)コンセプトの実現を目指す.具体的には化学的アプローチでは困難な多種マイクロ粒子複合による多機能マイクロデバイス(複合マイクロ粒子機能構造体)生産を実現する動的局在光場並列制御型セルインマクロファクトリの開発を目的とする.本年度の具体的な研究実績を羅列すると以下のようになる. (28-1) 多光束定在エバネッセント波による面内局在分布一括制御の理論解析:セルインマイクロファクトリを実現する上で,不可欠なナノ,マイクロ粒子の一括位置制御法として,多光束のエバネッセント波干渉分布の適用可能性を理論的に検討した.結果,構造周期を複数有する複雑面内分布や,特殊な染み出し分布を,比較的高い制御性をもって実現可能であることが分かった. (28-2) 複数粒子一括マルチトラップモジュールの設計:理論解析の知見を融合しながら,並行して実施した.サファイアプリズムと,多分岐ファイバを適用した,新しい複数粒子一括マルチトラップモジュールの現状最適案の設計を完了した. (28-3) ナノ粒子位置インプロセスモニタリングモジュールの試作および検証実験:前年度の理論知見に基づき,後側焦点面干渉法によるナノ粒子位置モニタリング法を実現する実験装置の試作を行い,提案手法の有効性を実証した.合わせて,一括観察を実現する無限遠観察系についても適用有効性の検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述のように多光束での定在エバネッセント波において,多彩な一括局在分布制御が可能となることを理論的に確認できた.また,単ナノ粒子の位置測定法として,従来の後側焦点面干渉法に比べて感度を2倍以上向上させることが可能な,中央マスク遮断法について,実験的にもその有効性が検証できたため.
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今後の研究の推進方策 |
前述のように多光束での定在エバネッセント波において,多彩な一括局在分布制御が可能となることが理論的に確認できた.その際,理論的に高屈折率プリズムが要求されていることから,サファイア製のプリズムを適用した複数粒子一括マルチトラップモジュールの試作を進める.また,粒子位置の一括計測用に,無限遠補正型顕微ユニットの実装も検討する.
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