研究課題
テザー伸展技術は山極(静岡大),昇降機移動技術は青木(日本大)が担当し,超小型衛星として能見(静岡大)が取り纏める体制で進めた。以下に,各技術の研究実績を記載する.・テザー伸展(山極担当):初年度に選定したリール方式の制御方法を構築した.これと並行して耐宇宙環境性能を持つ試験機を設計開発し,テザー伸展制御に関する地上実験評価を行った.また,軌道上のテザー伸展に関する実験的挙動解析は困難であるため,初年度に用いた力学定式化によるシミュレーションを用いて評価した.・昇降機移動(青木担当):初年度に開発した試作機によるテザー上移動性能の評価を継続して実施し,その結果を踏まえて宇宙環境を考慮した試験機の開発した.ここでは,実ミッションを想定した電気システムなども搭載し,宇宙機仕様とした.そして地上模擬環境において,昇降機のテザー上移動に関する評価検証を行った.・超小型衛星(能見担当):初年度に開発した試作機を用いて,とくに親衛星と子衛星の結合機構について,ロケット打ち上げ環境に耐えること,および確実に分離できることを地上実験により評価検証した.また姿勢制御に関して,制御則を実装した機能評価を行った.また本衛星のキー技術について,とくにテザー伸展(バネによる放出初速度,テザー伸展抵抗)および昇降機の動作(テザー上移動速度,移動精度)について,地上模擬環境における評価検証を行った.なお、宇宙分野で比較的大きい国際会議「International Symposium on Space Technology and Science」において、本開発衛星のセッションが設けられた。
2: おおむね順調に進展している
テザー伸展技術は山極(静岡大),昇降機移動技術は青木(日本大)が担当し,超小型衛星として能見(静岡大)が取り纏める体制で進めたことにより,各分担内容を確実に実行していくことができた。各担当部分については,宇宙環境仕様の試験機を設計開発,製作できたことから,打ち上げ機に向けて統合していくこと,そして統合試験を実施していくことにより,宇宙実験を実施できる見通しである.ただし,打ち上げロケットの確保がまだできていない.遅くとも三年目までには打ち上げロケットを確保,それに合わせた打ち上げ機開発が必要となるため,三年初めは打ち上げロケットの確保を行う.これを受けて打ち上げ機を開発することとなる.なお、本研究において開発する超小型衛星のミッションはテザー伸展が必須となるが、テザーは宇宙デブリ発生抑止の観点から危険性を内包しており、NASAのガイドラインでは厳しい要求が記載されている。これを考慮しつつ打ち上げロケットを確保することが重要となる。
初年度および二年目の研究開発を円滑に進めることができたことから,当初計画通りに,テザー伸展技術は山極(静岡大),昇降機移動技術は青木(日本大)が担当し,超小型衛星として能見(静岡大)が取り纏める体制で進める.以下に,各技術の研究開発計画を記載する.・テザー伸展(山極担当):初年度および二年目にテザー伸展方式を検討,装置試作を行い実験評価を実施してきている.これらの結果を踏まえて,宇宙実験実施を目的とした打ち上げ機に搭載可能なテザー伸展装置およびテザー伸展方法を確定,打ち上げ機搭載装置を開発する.また打ち上げ機搭載装置については地上実験により評価検証を行い、テザー伸展方法については,これまでに構築してきた力学定式化によるシミュレーションを用いて評価検証を行う.・昇降機移動(青木担当):初年度および二年目に試作機および試験機を開発,テザー上移動性能の評価を継続して実施してきている.その結果を踏まえて,実ミッションを想定した電気システムを搭載した打ち上げ機仕様を確定し,製作する.そして地上模擬環境において,打ち上げ用昇降機のテザー上移動に関する評価検証を行う.・超小型衛星(能見担当):初年度および二年目に開発した試作機および試験機の結果を踏まえ,さらに電気システムなどを含めた宇宙仕様の打ち上げ機を開発する.本研究後半になったので,打ち上げロケットを早期に確定し,ロケットからの要求を踏まえた超小型衛星仕様を確定する.その仕様を受けて超小型衛星を製造,共同研究者と蜜に連携してテザー伸展装置および昇降機とのインターフェースを調整して完成させる.なお,本年度は超小型衛星打ち上げ準備を完了させるため,研究費は打ち上げロケットとの調整および打ち上げ機製作を主要とするため,これらの予算は研究代表者へ配分することした.
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Acta Astronaitica
巻: TBD ページ: TBD
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