研究課題/領域番号 |
15H02228
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
萩原 一郎 明治大学, 研究・知財戦略機構, 特任教授 (50282843)
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研究分担者 |
黄 慶九 工学院大学, 工学部, 准教授 (20361785)
ディアゴ ルイス・アリエル 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (20467020)
石田 祥子 明治大学, 理工学部, 専任講師 (40636502)
梶原 逸朗 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60224416)
篠田 淳一 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (60266880)
寺田 耕輔 福島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60648129)
趙 希禄 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (30610307)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 折紙工学 / 折紙ロボット / 双腕ロボット / レゴベースロボット / 二次元型紙 / 三次元プリンター / 木構造 / 画像処理 |
研究実績の概要 |
オバマ前米国大統領も革命を起こすと称した3次元の積層型プリンターが得意なのは、圧造、鋳造、鍛造の3大製法のうち、鋳造、鍛造に相当するものであり、圧造に相当するオムツなどの衣服やパネル類への適用は必ずしも十分ではない。そこで、3次元プリンターと全く同じ3次元形状データから、山線・谷線・糊代付きの2次元の型紙を設けるシステムを開発した。その型紙から人間の手で3次元構造に構築する場合と折紙ロボットで構築する場合を考え、後者の場合、3次元折紙プリンターと称した。例えば、一つの型紙からのバニーの折り紙では、その型紙は非常に複雑で、ロボットで構築するのは思いもよらないことであり、人手で折る場合40時間かかる。一方、本研究では、複数のパーツに分割し、それぞれの2次元型紙を設け、それぞれの3次元の構築をロボットで実施させ、それらを糊付けするシステムを構築した。その際、各2次元型紙の各折れ線で囲まれる要素間に木構造が成立すれば折り曲げのみで折れる折り紙ロボットで可能であることを実際にロゴタイプのロボットを構築して確認した。また、このような折り紙ロボットで上記の一連の作業が可能な場合、人間の手で折る場合も15分くらいで構築できることを見出した。この方式の場合、樹脂、段ボール、アルミ、鉄などの厚板でも双腕ロボットで可能であり、折れ線に沿って溝彫りなどすることによって、設計値通りのものができる事を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2次元型紙が木構造だと、上述の折り曲げロボットで曲げやすくなる。非常に複雑な構造でもその型紙の展開図に閉路の存在の有無を検討するロジック、閉路があれば、それを新たにパーツと子パーツに分け、子パーツを別の所に付けて、木構造とするロジックの開発を行った。3次元組立てには、糊代部と相手方の番号がついているが、これが小さいと作業効率が悪い。一方で大き過ぎると、展開図上で糊代部と構造本体部とが重なってしまうことも生じる。この大きさを自動設定するアルゴリズムを開発したなど順調に進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
折り曲げだけが可能な折り紙ロボットで3次元構築できるための型紙を得ることができるようになったが、このような型紙が得られれば実際に折り紙ロボットで可能か、実際に折り紙ロボットを構築して確認する。その際、研究代表者開発のニューラルネットワークを用いた制御アルゴリズムを使用し、この種の制御で利用される逆伝搬学習アルゴリズムを用いた多層ニューラルネットワークと比較し、その優位性を確認する。多重折り畳み後の紙の厚さの増加と紙のスプリングバックによる糊付け位置の変化を考慮したスプリングバック補正アルゴリズムが必要となることが予測されるが、紙の位置の揺らぎが起きないようにする制御方法の確立を目指す。
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