研究課題
1光子検出の感度および高飽和性能を有し、極低照度環境から明暗差が5ケタ以上の被写体を、1回の露光期間で線形応答により明瞭に撮像することができるCMOS撮像素子技術の創出を目指し、今までに築いた横型オーバーフロー蓄積容量を用いた広ダイナミックレンジCMOS撮像素子技術をさらに発展させ、超高感度・極低ノイズ撮像信号読出し技術の研究に取り組んできた。平成29年度は研究の最終年度として、前年度までに試作と特性の測定を繰り返して行い抽出した課題を解決するためのCMOS撮像素子の設計と、試作、及びその特性の測定を行った。具体的にはフォトダイオードから容量の極めて小さいフローティングディフュージョンへの完全な電荷転送を達成するためのフォトダイオードと転送ゲートの形成条件及びレイアウトの改善と、信号読出しノイズの低減に係る列回路の見直し、より具体的には列毎に搭載している増幅器の低ノイズ化、マルチサンプリングに対応した回路構成の適用、サンプルホールド容量の熱雑音の低減、を行った。これらの改善を施した画素数480×480、画素ピッチ7.8μmのCMOS撮像素子を、最小加工寸法0.13μm、1層ポリシリコン、5層メタル、完全空乏型フォトダイオードを有するCMOS撮像素子プロセステクノロジを用いて設計し、これまでに他の撮像素子の共同開発で量産化の実績のある、量産工場を用いた試作を行った。さらに、アナログ・デジタル変換器を列毎に搭載したCMOS撮像素子についても設計と試作を行った。これらにより、1光子検出の感度を得るために必要な入力換算ノイズ電子数0.2電子と、5万個を超える飽和電子数を両立する性能が得られる見込みを得た。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese Journal of Applied Physics
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