研究課題
本研究は,非線形最適制御の実時間数値解法と代数的解法の発展と融合,応用を目指している.平成28年度には,グレブナー基底や消去イデアルなど代数的手法を用いた非線形最適制御問題の解法を,終端拘束条件がある場合に拡張した.これは,線形システムの終端拘束条件付き最適制御問題に対する解法の自然な拡張になっている.特に,各時刻で一定時間未来までの応答を最適化してフィードバック制御を行うモデル予測制御では,終端拘束条件を課すことで閉ループ系の漸近安定性を保証できる場合があるので,得られた成果は,非線形システムのフィードバック制御において有用である.また,逆最適性に基づく制御系設計を融合させる試みも行った.さらに,実時間数値解法に関しては,並列計算に適した新しいアルゴリズムの検討を進めた.これは,非線形最適制御問題に固有の構造を利用してニュートン法に近似を導入し並列化するアプローチであり,いくつか具体的な近似方法を検討し,数値例に適用したり収束特性の解析を試みたりした.そのほか,ドローンの追従回避制御やロータ停止時の制御,ヒューマノイドロボットの壁面登攀制御,浮体式洋上風力発電施設のブレードピッチ角制御,船舶の可変ピッチプロペラ制御などの実応用にも取組み,さまざまな拘束条件や制御目的を考慮した複雑なシステムの制御が最適制御問題として定式化でき,実時間最適化によって従来手法よりも優れた制御性能が達成できることを示した.
2: おおむね順調に進展している
実時間数値解法については並列計算に適した新しい着想を得ることができ,有効性も期待できる.複雑な実問題への応用に関しても,制御性能や計算時間ともに良好な結果が得られている.代数的解法についても順調に拡張できている.
並列計算を活用した実時間数値解法の開発と応用,代数的解法の拡張をさらに推進していく.数値解法と代数的解法との融合についても,引き続き検討していく.
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