研究分担者 |
渡部 要一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00371758)
清家 弘治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (20645163)
高田 宜武 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 日本海区水産研究所, 主幹研究員 (30372006)
玉置 昭夫 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 特任教授 (40183470)
桑江 朝比呂 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (40359229)
栗山 善昭 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 所長 (60344313)
梶原 直人 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 瀬戸内海区水産研究所, 主任研究員 (80371904)
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研究実績の概要 |
本研究は、当該研究代表者らが先駆的に開拓・推進している生態地盤学を日本各地の砂質・泥質干潟・砂浜海岸の潮上帯から潮間帯、潮下帯にかけて戦略的に展開し、広域地盤環境動態計測と底生生物分布・密度の一体調査、底生生物動態-地盤環境動態の統合実験・モデリングと生物住環境診断チャートの展開に基づく予測結果の現地検証を通じて、地震・津波イベントによる地盤環境・生物相の変化・回復過程を踏まえた沿岸底生生態-地盤環境動態の統合評価予測技術を開発・確立するものである。
上記研究目的の下、令和元年度に実施した研究内容と成果は以下のとおりである。沿岸底生生態-地盤環境動態の統合評価予測技術を発展させると共に、地震液状化や暴風波浪が潮間帯および潮下帯の多種多様な底生生物(23生物種)の輸送・浮上・埋没及び致死率に及ぼす影響を明らかにした.さらに、過年度の成果をふまえ、取り纏めの成果として以下の内容及び実績を得た.
多種多様な底生生態-地盤環境動態の統合評価予測を実現しうる拡充・発展した生物住環境診断チャートと多様な沿岸地形に対応した飽和・不飽和浸透流解析手法の融合に基づく沿岸底生生態-地盤環境動態の統合評価予測プラットフォームを開発した.本統合評価予測技術によって,干潟・砂浜海岸の生物種の多様性-地盤環境動態の関わり並びに台風・高波イベントに伴う地形・地盤環境の大変化による各種生物分布域の変化を整合的に予測再現しうることを実証した. さらに,高波等の気象擾乱や地震・津波によるイベント過程を織り込んだ地盤環境動態と沿岸底生生態の間のリンクを体系的に解明した.併せて,(a)潮上帯,潮間帯から潮下帯に至る地盤構造調査法, (b)サンゴ礫混合土の統一的な力学特性評価法を構築・開発し, (c)生物間相互作用と土砂環境動態の一体評価を実現すると共に,(d)生物攪拌-土砂相互作用に及ぼす津波の持続的影響を解明した.
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