研究課題/領域番号 |
15H02273
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 宏明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70344017)
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研究分担者 |
中田 典秀 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00391615)
花本 征也 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (10727580)
井原 賢 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (70450202)
山下 尚之 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90391614)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 病原微生物 / 指標微生物 / 下水処理 / 再生水処理 / ウイルス / 膜 / オゾン / 紫外線 |
研究実績の概要 |
本研究では、衛生指標と病原微生物、特にウイルスの下水処理過程や再生水処理過程での挙動を現地調査と実験で把握し、下水処理や水再生処理での衛生指標と病原微生物の動態の類似性と相違性を把握することを目的として、(1)~(5)を実施した。 (1)病原微生物の網羅的検出方法と分子学的不活化評価方法の基礎的検討については、次世代シーケンサを購入し、細菌類を対象に網羅的検出方法を検討した。(2)実下水処理過程を対象とした病原微生物と指標微生物の動態把握については、標準法とMBRを対象としたウイルス、大腸菌、ファージの処理過程での把握を行った。(3)活性汚泥、凝集フロックの病原微生物と指標微生物の吸着・不活化特性の把握については、現地調査や処理実験で使われている活性汚泥、凝集フロックでの指標微生物の回収方法を検討した。(4)塩素、紫外線、オゾン、膜分離による病原微生物と指標微生物の消毒効果に及ぼす水質要因の把握については、再生水生産を行う有機膜、無機膜、UV、オゾンの実験装置を用いて病原微生物と指標微生物の動態を測定した。(5)下水処理、再生水処理、消毒プロセスでの病原微生物管理を行うためのサロゲート開発については、現地調査や実験装置で得られた指標微生物や病原微生物の関係の解析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)次世代シーケンサの購入が無事終了し、その基礎操作に着手できた。 (2)実下水処理場で、病原微生物とファージタイピングなどの手法を用いた動態が明らかにされるデータが得られてきた。 (3)現地調査や処理実験で使われている活性汚泥、凝集フロックでの指標微生物の回収方法について検討を開始できた。 (4)有機膜・無機膜を前処理、後処理と組み合わせた実験装置の運転が行え、病原微生物や指標微生物の動態が次第に明らかになってきた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)次世代シーケンサを用いて、今後多様なウイルスの動態についても応用を検討する。(2)実下水処理場での、病原微生物と指標微生物の動態を継続して把握する。(3)現地調査や処理実験で使われている活性汚泥、凝集フロックでの指標微生物などの 動態を詳細に検討する。(4)有機膜・無機膜を前処理、後処理と組み合わせた実験装置の運転を継続し、病原微生物や指標微生物の動態とそれに与える水質要因を計測して把握していく。(5)(1)~(4)までのデータを基に有効なサロゲートを見つけ出していく。この際、不活化の判定ができる方法の開発とそれを用いた情報整理が今後のキーとなるとおもわれる。
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