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2018 年度 実績報告書

発掘遺構による古代寺院建築史の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15H02284
研究機関独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

研究代表者

箱崎 和久  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (10280611)

研究分担者 石田 由紀子  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (40450936)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード発掘遺構 / 建築遺構 / 寺院建築 / 古代 / 出土瓦
研究実績の概要

建築遺構の資料収集作業は概ね終了し、北海道・青森・秋田・沖縄を除く各県で計977遺跡のデータを収集した。収集したデータからデータベース作成作業を継続した。データベース作成作業では、比較検討できる十分なデータがそろっている遺構は思いのほか多くなかった。しかし、のちのデータ活用を見据えて、可能な限りデータを入力するよう努めた。地域間交流の様相を分析する作業は、こうしたデータの拡充ののちにおこなう必要があるため、また研究期間内に資料集の作成をおこなうために、併行して資料集の作成にとりかかった。その際、データベースの追加入力や画像の追加・補正・修正などの作業が生じたため、それに対応しながら作業を進めている。
瓦の資料収集作業は、分担者を中心におこなっており、寺院と関連する官衙遺跡についての収集が愛知県・滋賀県を除いて終わりつつあり、それにともなうデータベースの作成も進めている。データが膨大のため、一部入力内容を簡素化するなどして進めることとした。建築遺構のデータとの整合や、資料集への掲載方法等について、作業を進めながら方法を模索している。同笵関係の確認は報告書で一定程度可能ではあるが、厳密を期すと現物の確認が必要となり、作業量がさらに増えるため、その確認方法と研究レベルについて検討を進めている。
研究会の開催について検討してきたが、上記の整理・検討の成果を受けて開催する必要があるため、上記の作業を優先した。
東アジア諸国の事例収集としては、古代寺院の細部意匠に関連する敦煌壁画の調査と、特異な架構形式の事例として、12世紀までの中国浙江省の現存建築の調査を実施した。前者では建物の隅棟に鬼瓦が2つもつ稚児棟を確認でき、日本古代にはこれがないと考えられていることに対して問題があることと認識した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

建築遺構のデータベース入力作業は複数人数でおこなってきたが、入力結果をみると入力者によるばらつきが確認され、その原因解明と修正基準の確認作業に手間取った。また、資料集作成にあたり、掲載方法などへの対応のためのデータを追加入力する必要が生じた。また収集したデータが資料集作成には、その寺院の伽藍配置図がある方がよいなど、追加して収集すべき情報があることが判明した。また、資料集作成のための画像データ調整などの作業があり、当初予想できたことではあったが、思いのほかこの作業に時間を要することとなった。この成果による資料集が完成すれば、建築史および考古学に益することが大きいので、精度の高い成果が出せるよう作業を進めたい。

今後の研究の推進方策

資料集作成の作業を進める。平地寺院、山林寺院、村落内寺院にわけ、規模が判明する堂塔を中心にピックアップし、そうした寺院の伽藍配置等の情報を追加して収集し、寺院ごとの資料集とし、それに瓦の情報を紐付けする。こうした資料集作成と併行して堂塔ごとの規模をまとめるなどして堂塔ごとの分析をおこなう。こうした分析をもとに、建築遺構と瓦の関係を考察する。

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公開日: 2021-01-27  

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