研究課題
銅－モリブデン鉱石の浮選分離について電気化学的な検討を行い、酸化、水洗い後に浮選を行うことが有効であることを明らかにした。また、高速度カメラを用いた微細気泡と鉱物のカラム型付着挙動解析システムとソフトを開発した。含ヒ素硫化銅鉱物の浸出反応の電位依存性を浸出実験および電気化学的手法により調べ、硫ヒ銅鉱の浸出は電位依存性を示すこと、電位制御と銀添加により硫ヒ銅鉱の高速浸出が可能であることを明らかにした。中度好熱性・鉄/硫黄酸化菌群から成るmixed cultureを使用して45℃にて硫ヒ銅鉱のバイオリーチング試験を行ったところ、Ag無添加系においては共存する黄鉄鉱からFeが全て溶出し、硫ヒ銅鉱からのCuの溶出が45%に留まったのに対して、Agを適量添加した系では黄鉄鉱からのFe溶出が抑制され、選択的に硫ヒ銅鉱からのCu溶出が進行した（最終的に99%に到達）。バイオリーチング中には赤色のAgとAsを含む硫化物が二次鉱物として生成した。その他鉄濃度変化などの挙動から、Ag存在下で硫ヒ銅鉱が還元的に溶解する機構が存在することが示唆された。バイオリーチング中のAsの不動化機構も含めて、次年度更に研究を進める。Carrier Micro Encapsulation(CME）の低コスト処理を可能にするために低品位炭の水熱処理により排出されるカテコールを含む廃液（HTL）とSi試薬との混合溶液（Si-HTL）で黄鉄鉱を処理し、黄鉄鉱の長期溶出試験を鉄酸化細菌存在下で行なった。Si-HTLで黄鉄鉱を処理したものは，未処理の黄鉄鉱、カテコール試薬とSi試薬混合溶液（Si-Cat）で処理したものより強い溶出抑制を示すことを明らかにした。各種電気化学的手法（電位走査法，定電位測定法，インピーダンス分析法）を用いてSi被覆処理後の黄鉄鉱溶出抑制に関する挙動の解析を行った。
2: おおむね順調に進展している
今年度の研究実施計画をほぼ終了した。また、黄銅鉱と輝水鉛鉱や含ヒ素鉱物の新たな分離方法を見出していることから、おおむね順調に進展していると判断する。
難処理硫化鉱の新しい分離方法を見出してきていることから、今後はこれらの分離方法の実用化も含め研究を行っていく予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (34件) (うち査読あり 23件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 15件、 招待講演 2件) 産業財産権 (3件)
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