研究課題/領域番号 |
15H02336
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
居田 克巳 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (00184599)
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研究分担者 |
吉沼 幹朗 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (20323058)
小林 達哉 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (30733703)
徳沢 季彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (90311208)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 磁場トポロジー / 乱流 |
研究実績の概要 |
核融合装置では外部から与えたトーラス型をした入れ子状の磁場の中にプラズマを生成・加熱し、高温高圧のプラズマをどのようにして維持するかが重要な課題となっている。この入れ子状の磁場は、プラズマ中に発生した電流の影響で変化し、そのトポロジーを変化させる。よく知られたトポロジー変化として、磁気島と呼ばれる三日月型のトポロジーを持つ磁気面が成長する場合や、さらに異なるモード数に磁気島が重なり合う為に磁気面が失われてしまう場合(ストキャスティック化)がある。特に、このストキャスティック化は、プラズマが突然消滅する電流崩壊という現象の原因にとなっており、核融合プラズマの維持において、極めて重要な課題である。プラズマの乱流と磁場トポロジーはお互いに相互作用すると考えられる。すなわち、磁場トポロジーの変化によりプラズマの乱流が変化するのみならず、プラズマの乱流が、プラズマの流れに影響を及ぼして磁場トポロジーを変化させる。従って、磁場トポロジーによるプラズマの乱流の変化の計測は、プラズマの振る舞いを理解する上で重要な課題となっている。DIII-D装置での実験結果を元に、磁気島やストキャスティック領域が現れる場所での乱流計測から、磁気島のO点に比べてX点での乱流が大きいことを明らかにした。また、ヒートパルスの伝播と乱流の伝播との時間差を計測し、X点ではヒートパルスが先に、O点では乱流が先に到達していることを実験で見出した。本年度は、一連の結果をまとめて、フィジカル・レヴュー・レターズに論文を投稿し、受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究に必要なビーム放射分光のコンポーネントであるイメージ光ファイバー・イメージフィルター分光器・多チャンネルアバランシェダイオード検出器のすべての制作を終えて、分光システムの調整・動作チェック・データ処理ソフトの開発・解析手法の確立、大型ヘリカル装置にて実験データを取得した。並行して行なっているDIII-D装置での実験では、磁気島内部の乱流計測に成功し、フィジカル・レヴュー・レターズに論文を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
磁気島内部で’乱流の抑制に深く関わっているプラズマの流れの分布を計測するために2次元イメージ分光器を製作し、磁気島内部のプラズマの流れと乱流の相互作用に関する研究へと発展させる。
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