研究実績の概要 |
本研究では,従来の研究では煩雑ながらも不可避とされてきた「シード」(作動気体への金属蒸気の微量添加)のフリー化という既成概念を大きく転換するブレークスルーを,本研究代表者の過去から最新にわたる一連の独創的な研究成果に立脚して達成し,「シードフリー環境適合型クリーンMHD発電」の実用化に向けた新たな突破口を開く基盤を構築することを目的とする。本年度(平成27年度)は,本研究の主題である低温度動作化に向けての基礎を確立することを念頭に置き,リニア形状ファラデー形MHD発電機ならびにディスク形状ホール形MHD発電機を衝撃波管実験装置に組み込み,前者では実績のあるアルゴンArでの更なる高性能化に向けた指針を [(1) M.Tanaka, T.Murakami, Y.Okuno, "Numerical Simulation of Performance of a High Temperature Inert Gas Plasma Faraday-type Magnetohydrodynamic Generator", Journal of Propulsion and Power, Vol.31, No.5, pp.1362-1369 (2015.10)] ,また後者では発電機内のプラズマ電磁流体の挙動を明らかにするとともに[ (2) 田中 学,奥野喜裕「高温希ガスプラズマディスク形状MHD発電機内のプラズマ挙動」電気学会論文誌B,135巻,8号, pp.527-532 (2015.8) ],より電離電圧の低いキセノンXeにおける低温度動作化を実証した[(3) 田中 学,泉裕一朗,奥野喜裕「キセノンを作動気体とする高温希ガスプラズマディスク形MHD発電機の発電特性」電気学会論文誌B,136巻,2号, pp.205-210 (2016.2) ]。
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