研究実績の概要 |
本研究では,これまで煩雑ながらも不可避とされてきた「シード」(作動気体への金属蒸気の微量添加)のフリー化という既成概念を大きく転換するブレークスルーを,本研究代表者の過去から最新にわたる一連の独創的な研究成果に立脚して達成し,「シードフリー環境適合型クリーンMHD発電」の実用化に向けた新たな突破口を開く基盤を構築することを目的としている。本年度は,当初の予定どおり,まず1)予備電離手法の高度化を目指し,高周波電磁界を用いた手法の適応可能性を探ること目的として,希ガスの亜音速,超音速流れでの高周波プラズマと境界層や衝撃波など流体挙動との相互作用を明らかにし,高周波予備電離手法の特性をより明確にした上で,MHD発電機への適応の際の留意点の洗い出しを行った[(1) M.Tanaka, Y.Hitotsubashi, Y.Okuno, Journal of Propulsion and Power, Vol.34, No.1, pp.40-47 (2018.1)]。また,2)高周波予備電離プラズマMHD発電に関する実証基礎実験行い,作動気体温度が比較的高い(~3000K)ながらも,本方式での発電を実証し[(2)K.Shikishima,A.Ikuta, M.Tanaka, Y.Okuno,Proceedings of The International Conference on Electrical Engineering 2017,Weihai,China,ICEE-S7-04 (2017.7)],さらに数値シミュレーションにおいて,ディスク形ならびにリニア形発電機における予備電離プラズマ方式の適応の有効性を検討し,ディスク形発電機発電機の優位性を明らかにした[(3)鶴岡美緖,田中 学,奥野喜裕,電気学会論文誌B,138巻,3号, pp.236-241 (2018.3)]。
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