現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
神経活動の低い樹状突起はBtbd3-PlxnA4コンプレックスによるRhoAの上昇で除去され、神経活動の高い樹状突起はBtbd3-Cadps2コンプレックスによるRac1の活性上昇によって枝分かれと伸長が促進されるという、樹状突起選択的な形態変化の分子メカニズムを明らかにすることができた。これらは、ノックアウトマウス(PlxnA4, Cadps2)の解析、子宮内遺伝子導入法による遺伝子の過剰発現、Neuro2A細胞を用いたin vitroのプルダウンアッセイを用いて分子のインターラクションが神経活動の違いによって起きることを明らかにした。また、神経活動の違いが、RhoA, Rac1の活性をコントロールするメカニズムは、初代分散培養によるRaicyuタイプのRhoAおよびRac1の活性のFRETイメージング、初代分散培養によるGCamPのイメージングによって明らかにした。さらに、Btbd3の様々なミュータントを用いて、PlxnA4, Cadps2との結合ドメイン、およびPlxnA4の2両体化を行うことも明らかにし、詳細な樹状突起の形態変化に関わる分子メカニズムの詳細を明らかにした。現在はBtbd3のコンディショナルノックアウトマウスの解析も進んでおり、我々が明らかにした分子メカニズムをサポートする結果を得ている。このBtbd3のコンディショナルノックアウトマウスを用いて、Cre-ERコンストラクトの子宮内遺伝子導入を行い、時期特異的なBtbd3のノックアウトを作成し、臨界期以外の時期でのBtbd3の機能も明らかにする試みを行っている。またここまでの成果をin vivoで全て同時に観察する挑戦として、生後2日目の幼若マウスの2光子顕微鏡によるイメージング技術の立ち上げも行った。
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