本研究課題では、生きた脳内におけるニューロンへのCa2+/カルモジュリン依存的な情報書込み過程を解明するため、①新規改良Ca2+シグナリングセンサー群の開発し、②1光子イメージングによるCa2+シグナル・Ca2+エフェクター活性化の伝播・情報処理過程の解明を成体脳・発達期脳で進めた。さらに③長期記憶の固定におけるCa2+/カルモジュリン依存的な情報処理の高次機能発現における役割の解明をめざし、「神経回路への情報書込み」の分子的実体に迫る成果をいくつか得た。今後ともこれらの成果を元に、脳の根本的な作動原理の一端が一層明らかになるとともに、脳機能の計測から操作に至る基盤技術の開発が期待される。
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