研究課題
(1)ゼブラフィッシュにおいて、Tol2を用いた遺伝子トラップコンストラクトをもつプラスミドDNAを、転移酵素mRNAとともに受精卵にインジェクションし、F1胚をスクリーニングすることにより、細胞・組織・器官特異的に改変型酵母転写因子Gal4FFを発現するトランスジェニックフィッシュを新規に100系統作製した。サザンブロッティング、インバースPCRによりこれらにおけるTol2挿入部位近傍のゲノムDNAの解析を行い、挿入部位を決定した。それら発現情報、遺伝子情報をとりこんだデータベースの整備を行った。(2)細胞・組織・器官特異的Gal4FF発現トランスジェニックフィッシュを用い、以下のことを明らかにした。血液脳関門形成に関わる新規細胞群の発見(米国NIH、Weinstein研究との共同研究)。小脳顆粒細胞が恐怖条件付け学習の回復期に機能することを発見(名古屋大日比研との共同研究)。稚魚の逃避行動に関わるグリシンリセプターのサブタイプを同定(豪州サンシャインコースト大Harvey研との共同研究)。脊索障害の修復の際に機能する新規細胞群を発見(英国エジンバラ大Patton研との共同研究)。(3)Gal4FF発現トランスジェニックゼブラフィッシュのスクリーニングを行い、前視蓋あるいは視床下部下葉の特定の脳神経回路、および終脳の特定の神経細胞で、Gal4FFを発現するトランスジェニックフィッシュを同定した。これらを基にして、カルシウムイメージングおよび機能阻害実験を行い、エサなどの視覚刺激が食欲の中枢である視床下部下葉を活性化する神経回路を発見した(Muto et al. Nat Comm 2017)。また、恐怖条件付け学習に必須な終脳の特定の神経細胞を明らかにした(Lal et al. BMC Biol 2018)。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 6件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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