犬ジステンパーウイルス(CDV)の膜融合タンパク質(CDV-F)について、クライオ電子顕微鏡による観察を実施した。クライオ電子顕微鏡に特有の試料調製条件およびグリッド作製条件の検討を行なったところ、より高分解能で解析できる目処がついた。一方、同ウイルスの受容体結合タンパク質(CDV-H)については、ラットを用いて抗体の作製を進め、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを複数樹立した。得られた抗体のサブタイプやCDV-Hへの結合を確認したほか、膜融合活性を指標とした解析から、各抗体により結合親和性や特異性が異なることがわかった。これらにより、CDVワクチンの有効性の分子基盤を解明した。
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