研究課題
マサバに関して:標的遺伝子を生殖関連遺伝子から攻撃行動関連遺伝子(AVTR-V1a)に変更する研究方式の見直しを行い、F1世代を再度準備した上で、F2世代の作出・育成をやり直すことにした。平成30年度に作出したF1系統の内、両アレルに変異が導入された雌1尾と雄4尾を、令和元年度5月に交配させたが、卵質が悪く、受精卵を得られなかった。そこで、両アレルに変異が導入された雌1尾に対して、片アレルに変異が導入されたヘテロKOの雄8尾を交配に供した。その結果、F2世代の受精卵を得ることに成功した。遺伝子解析の結果、F2系統においては、1:1の割合でホモKO個体とヘテロKO個体が出現し、ホモKO個体21を得ることができた。カタクチイワシに関して:黄体形成ホルモン(LH) を標的とし、TALENを用いたKO個体の作出を試みた。F0世代の遺伝子系を解析した結果、有効変異導入率は54.6%~100%であった。成熟体長に達したF0世代の生殖腺組織観察の結果、卵黄蓄積卵は認められたが、成熟卵はなかった。一方、野生型では最終成熟期(核移動)に達していた。また、野生型が産卵を行ったのに対し、変異導入群では産卵は認められなかったが、さらに、下垂体における遺伝子発現量を解析した結果、野生型と比較して変異導入群では雌雄ともにlhb が有意に減少していた。以上、カタクチイワシではlhb の機能欠損により雌が不妊化されることが示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
巻: 9 ページ: 1、11
https://doi.org/10.1038/ s41598-019-41468-8
月刊養殖ビジネス
巻: 56 ページ: 61,64