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2018 年度 実績報告書

しつこく生えるカビの環境耐性と適応の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15H02487
研究機関筑波大学

研究代表者

高谷 直樹  筑波大学, 生命環境系, 教授 (50282322)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード糸状菌 / 一酸化窒素 / サーチュイン
研究実績の概要

本研究では、カビの環境ストレス応答と二次代謝の基礎・応用研究にとって重要な一酸化窒素耐性化と二次代謝系のエピジェネティック制御について研究を行った。特に、遅れていたAspergillus nidulansの一酸化感受性変異株の変異の特定に成功した。具体的には、長期間を要するA. nidulansの交配と子孫の解析、次世代シーケンサーによる目的変異の特定については、国内外で例は少なく新たな貴重な実験系として重要なものとなった。具体的には、交配によって変異株(親株)の変異遺伝子候補を7つに絞り込むことが可能であり、これらの遺伝子破壊等の検証実験を通して、2つの一酸化窒素耐性化遺伝子(rcoAおよびsnaD)を発見することができた。これまでの本研究により、一酸化窒素への耐性化にアミノ酸生合成が寄与することが示されている。両遺伝子のうちsnaD遺伝子破壊株の生育の一酸化窒素感受性が培地にアミノ酸を添加することで回復したことは、snaDが一酸化窒素による細胞内アミノ酸レベルの低下になんらかの機能を持つことを示唆するものであった。また、一酸化窒素の添加による本菌の転写変化を網羅的に解析した。関連する酸化ストレス応答などに既存の研究例と比較し、一酸化窒素は極めて広範な遺伝子発現を変化させることが明らかになった。
サーチュインによるエピジェネティック制御については、昨年までのSirC, SirD, SirEについての研究を継続し、SirCとSirDの組換え酵素の大量生産に成功したことによって、基質特異性の詳細を解析できた。全ての真核生物を通じてもサーチュインアイソザイムの基質特異性の詳細な研究例は少ないことから、本成果は関連研究者に大きなインパクトを与えるものであると考えている。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 5-Methylmellein is a novel inhibitor of fungal sirtuin and modulates fungal secondary metabolite production2018

    • 著者名/発表者名
      Shigemoto, R., Matsumoto, T., Masuo, S., and Takaya, N.
    • 雑誌名

      J. Gen. Appl. Micorbiol.

      巻: 64 ページ: 240-247

    • DOI

      10.2323/jgam.2018.01.001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel antioxidant isolated from Warcupiella spinulosa JCM 2358, 7-hydroxycordylactam2018

    • 著者名/発表者名
      Shigemoto, R., Oinuma, K.-I., Masuo S., and Takaya, N.
    • 雑誌名

      Heterocycles

      巻: 96 ページ: 1075-1079

    • DOI

      10.3987/COM-18-13895

    • 査読あり
  • [学会発表] Aspergillus nidulansのSirtuinアイソザイムの機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      小田倉里佳,伊藤英里子,竹下典男,桝尾俊介,高谷直樹
    • 学会等名
      糸状菌分子生物学コンファレンス
  • [図書] アグリバイオアグリバイオ 2018年12月臨時増刊号2018

    • 著者名/発表者名
      桝尾俊介、高谷直樹
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      北隆館
    • ISBN
      01328-12

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公開日: 2019-12-27  

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