研究課題
基盤研究(A)
集積型二重結合であるアレンの直交するπ成分の特徴を活かし、ロジウム触媒を用いた多重結合成分との環化反応による新規反応性構築を目的に検討を行った。その結果、アルキン-アレン-アルキン体等を用いることにより、酸化的環化、還元的脱離を経る複数の新規他段階反応が進行し、対応する多環式骨格を得る手法を見出した。特筆すべき点として、アルキンに隣接する環歪みのない不活性C-C結合の活性化を伴う環化が進行した。
有機化学
現在、C-H活性化を始め、不活性結合の切断反応の開発が新規反応開発の分野では急務である。特にC-C結合の活性化は、隣接C-H結合や多重結合成分のπ成分よりも立体的に混み合うσ結合を反応させる必要があるため容易ではない。そのため、一般的にはシクロプロパン等、環の歪みエネルギーを利用するのが一般的である。一方、本成果では一切環歪みのない直鎖状のC-C結合を選択的に開裂しており、その学術的、社会的意義は大きいものである。