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2015 年度 実績報告書

甘草を中心とする重要マメ科薬用資源植物の統合ゲノム研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H02494
研究機関千葉大学

研究代表者

齊藤 和季  千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (00146705)

研究分担者 鈴木 秀幸  公益財団法人かずさDNA研究所, バイオ研究開発部, グループ長 (80276162)
山崎 真巳  千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (70222370)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード薬学 / ゲノム / 薬用植物 / 二次代謝
研究実績の概要

甘草はその安定供給が危惧される最も重要な生薬の代表であり、そのゲノム機能科学研究は天然薬用資源学において最も重要な課題の1つである。そこで、本研究の全体目標の一つは、甘草についてドラフトゲノム配列を決定し、トランスクリプトーム解析などによって、重要形質を決定しているゲノム領域や遺伝子を同定することである。さらに甘草以外のマメ科の重要な薬用資源植物やその他の科の重要薬用植物についても、同様の手法で薬用成分の生産に関与している遺伝子を同定し、今後ますます重要性が増加する薬用資源植物の統合ゲノミクスの基礎研究基盤を提供することも目標とする。
当該年度は、主に薬用植物の「甘草」について、グルチルリチン含有量の高いウラル甘草の1品種について、ゲノム配列データのアセンブルを行い、アセンブルした配列情報を詳細に解析した。その結果、34,445個のタンパク質をコードする遺伝子を見出した。また、甘草のゲノム情報と、他のマメ科植物のゲノム情報およびゲノム全域との比較解析などを行った結果、薬効成分の一つであるイソフラボノイドの生合成に関わる遺伝子群の一部が遺伝子クラスタを形成していることを発見した。さらに、グリチルリチンを含む有用化合物群の生合成に関わる酵素遺伝子が含まれる遺伝子ファミリーを、甘草のゲノム情報から網羅的に探索し、それらの遺伝子構造を明らかにした。本成果は、英国の科学雑誌The Plant Journalに発表した。また、その他の甘草および他の薬用植物の配列データも取得した。これらの成果は、甘草の分子育種による国内栽培化、生産性の向上、生薬としての機能改変のほか、薬効成分の生産に必要な有用遺伝子の探索に資すると期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ウラル甘草の1品種のドラフトゲノム解読とアセンブリーが終了し、その成果は植物科学の一流専門誌であるThe Plant Journalに発表した。この成果論文は、同誌の表紙カバーとして特集された。また、その他の甘草および他の薬用植物の配列データもほぼ予定通りに取得することができた。

今後の研究の推進方策

生薬甘草として用いられるウラル甘草(G. uralensis)以外のグルチルリチンを含むスペイン甘草(G. glabra)、新疆甘草(G. inflata)についてもゲノム、トランスクリプトーム解析を進める。同時に、さらに甘草以外のマメ科の重要な薬用資源植物やその他の科の重要薬用植物についても、同様の手法で薬用成分の生産に関与している遺伝子の同定を進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Draft genome assembly and annotation of Glycyrrhiza uralensis, a medicinal legume2017

    • 著者名/発表者名
      Keiichi Mochida, Tetsuya Sakurai, Hikaru Seki, Takuhiro Yoshida, Kotaro Takahagi, Satoru Sawai, Hiroshi Uchiyama, Toshiya Muranaka, Kazuki Saito
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 89 ページ: 181 - 194

    • DOI

      10.1111/tpj.13385

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Phytochemical genomics - from a model plant to medicinal plants2016

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Saito
    • 学会等名
      9th Joint Natural Procucts Conference 2016
    • 発表場所
      Copenhagen, Denmark
    • 年月日
      2016-07-24 – 2016-07-27
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 千葉大学大学院薬学研究院遺伝子資源応用研究室

    • URL

      http://www.p.chiba-u.jp/lab/idenshi/index.html

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公開日: 2018-01-16  

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