研究課題
慢性疲労と関連のある脳部位の同定を、脳磁図(MEG)を用いた光刺激実験により成功することができた。また、急性疲労についても精神的疲労、および身体的疲労時における脳活動の観察に成功し、疲労の本態が、負荷実施中の過剰抑制と実施直後の過剰活動であることをつきとめた。疲労とうつの連関作用機序については、急性疲労時にうつ病や不安障害の患者ではネガティブな感情刺激への注意の偏りが認められるが、精神的疲労状態ではそれとは異なる特性の注意の偏りが認められることを明らかにし、MRIを用いた研究によって、その偏りが生じる脳神経基盤を明らかにした。課題遂行に関連した賦活度評価だけでなく、疲労に関するヒト大脳皮質の神経突起特性、自発的共振活動や皮質間の機能的・構造的連絡性(コネクトーム)解析法を確立した。慢性疲労動物モデルを用いて、疲労負荷による血中ストレス関連ホルモンや酸化ストレスマーカーの経時的な変化を検討し、短期間で疲労負荷と疲労回復を繰り返すことにより、血液中のコルチコステロンのネガティブフィードバック調節の機能異常および血液中の酸化ストレスマーカーであるd-ROMs値が有意に上昇することを見出した。慢性疲労モデル動物におけるこれらの結果と、ヒトの慢性疲労病態の比較のため、慢性疲労症候群患者についても種々の問診票や生理学的検査を用いて多彩な臨床症状がみられる患者の臨床病態(疲労・抑うつ度、PS、QOL、睡眠覚醒リズム、酸化ストレス、自律神経機能など)の評価を行い、一部、慢性疲労モデル動物と慢性疲労症候群患者間で類似した結果を示した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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