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2015 年度 実績報告書

個人を中心とするヘルスケアデータの活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H02517
研究機関東京大学

研究代表者

橋田 浩一  東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00357766)

研究分担者 橋元 良明  東京大学, その他の研究科, 教授 (50164801)
荒木 賢二  宮崎大学, 医学部, 教授 (70274777)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードヘルスケアデータ連携 / パーソナルデータ管理 / 地域包括ケア
研究実績の概要

甲府市の有料老人ホームであるヴィレッタ甲府において利用者の1人について、PLRを用いてその介護記録のデータをご家族に移管し、ご家族からヴィレッタ甲府に当該データを共有することにより、引き続きヴィレッタ甲府で介護記録を付けるとともに、ご家族の意思によってデータを自由に他者と共有して活用できるようにした。
また、宮崎大学医学部附属病院が運用する宮崎での地域医療連携サービスである「はにわネット」のサーバにAPIを設け、PLRアプリによってこのAPIを操作することにより患者自身の個人端末に本人の医療データを取得し、患者自身がPLRのアプリで本人の医療データを閲覧できるようにした。さらにその仕組みをNTTエレクトロニクス社のクラウド型電子カルテシステムであるモバカルネットにも適用して、モバカルネットのデータを患者が手もとに置いて活用できるようにし、これによって介護施設と診療所の顧客である個人が両者のデータを手もとで統合することが可能になった。
一方、宮崎大学教育学部の教員養成講座の同窓会である木犀会においてPLRを用いた会員の健康管理サービスを行なうことを検討し、フレイル(虚弱)チェックのためのPLR問診アプリによって会員の健康状態を把握して適宜介入するというサービスの計画を立案した。
さらに、自分のデータのうち自ら指定するものを自ら指定する他者に開示するPLRの基本機能を設計し、その実装を他のプロジェクトにおいて行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

介護施設と個人の間で介護データを共有する仕組み、医療機関と個人の間で医療データを共有する仕組み、および本人がそれらのデータを他者と共有する仕組みを実現し、また来年度以降に実現するサービスの概要と想定される利用者グループを具体化できたという意味で所期の目標を達成した。

今後の研究の推進方策

PLRを用いた問診アプリを開発し、それとPLRおよびPLRアプリの前記の機能を組み合わせることにより、比較的高齢の利用者が自ら本人のフレイル状態に関するデータを管理しそれを医療や介護のデータと合わせることによって健康管理に活用する方法を検討・実現する。それによって本人が感じるメリットや自己統制感を調査し、ヘルスケアデータの本人管理の効果を検証する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 集めないビッグデータ: 情報の分散管理による個人の尊厳と公共の福祉2015

    • 著者名/発表者名
      橋田浩一
    • 雑誌名

      社会情報学

      巻: 3 ページ: 87-98

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自律分散協調ヘルスケア2015

    • 著者名/発表者名
      橋田浩一
    • 雑誌名

      日本中医学会雑誌

      巻: 6 ページ: 73-84

  • [雑誌論文] 情報行動の行方2015

    • 著者名/発表者名
      橋元良明
    • 雑誌名

      日経広告研究所報

      巻: 280 ページ: 44-50

  • [雑誌論文] Integrating HL7 RIM and ontology for unified knowledge and data representation in clinical decision support systems2015

    • 著者名/発表者名
      Yi-Fan Zhang, Yu Tian, Tian-Shu Zhou, Kenji Araki, Jing-Song Li
    • 雑誌名

      Computer Methods and Programs in Biomedicine

      巻: 123 ページ: 94-108

    • DOI

      10.1016/j.cmpb.2015.09.020

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Development of Unified Lab Test Result Master for Multiple Facilities2015

    • 著者名/発表者名
      Kume N, Suzuki K, Kobayashi S, Araki K, Yoshihara H.
    • 雑誌名

      Studies in Health Technology and Informatics

      巻: 216 ページ: 1050

    • DOI

      10.3233/978-1-61499-564-7-1050

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 大学病院でクリニカルパス使用率の向上を目指す取り組み2015

    • 著者名/発表者名
      西田 怜史, 荒木 賢二, 鈴木 斎王, 山崎 友義, 小川 弘子, 平島 しおり, 内田 智望, 長友 利恵, 迫田 佳奈, 川子 佳奈夢
    • 雑誌名

      日本クリニカルパス学会誌

      巻: 17 ページ: 632

    • 査読あり
  • [学会発表] 自律分散協調ヘルスケア2015

    • 著者名/発表者名
      橋田浩一
    • 学会等名
      中医学会第5回学術集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-09-12 – 2015-09-13
    • 招待講演
  • [学会発表] Genomic Data Management Distributed to Individuals for both Protecting Privacy and Promoting Utilization2015

    • 著者名/発表者名
      Koiti Hasida, Yutaka Nakachi, and Masafumi Yasukochi
    • 学会等名
      Privacy-Aware Computational Genomics 2015
    • 発表場所
      産業技術総合研究所(東京都江東区)
    • 年月日
      2015-09-08 – 2015-09-08
    • 国際学会
  • [学会発表] 個人情報を本人が管理するPDSシステムモデル ―「集めないビッグデータコンソーシアム」における検討報告―2015

    • 著者名/発表者名
      95.青木 孝裕, 秋山 智宏, 飯山 裕, 伊藤 直之, 小熊 康之, 織田 朝美, 加藤 綾子, 木虎 直樹, 黒木 信彦, 佐古 和恵, 竹之内 隆夫, 中川 裕志, 橋田 浩一, 藤井 絵美子, 松山 錬, 宮田 智博, 安松 健
    • 学会等名
      マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2015)シンポジウム
    • 発表場所
      ホテル安比グランデ(岩手県八幡平市)
    • 年月日
      2015-07-08 – 2015-07-10
  • [学会発表] 個人データの本人管理により医療機関等の相互連携を患者が仲介する方法2015

    • 著者名/発表者名
      橋田浩一
    • 学会等名
      第74回医学放射線学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2015-04-16 – 2015-04-19
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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