研究実績の概要 |
JPOS研究20年次追跡調査とFORMEN研究10年次追跡調査を実施し、2019年度はdatabaseを完成させて解析した。 JPOS研究の追跡対象3094人の内、20年間の追跡調査に1度以上参加した者は2612人(84.4%)、内314人(12.0%)が死亡、Baseline時50歳以上でその後の骨折の有無が判明した1301人中201人(15.4%)に骨粗鬆症性骨折が発生。FORMEN研究では追跡対象2012人の内、10年間の追跡調査に1度以上参加した1998人(99.3%)中394人(19.8%)が死亡。JPOS研究では椎体骨折発生は、無症候性骨折でも死亡のリスクを調整ハザード比(HR)で2.31 (95%信頼区間 1.05, 5.11)と上昇させ、FORMEN研究では追跡期間中に骨折した者の死亡リスクは非骨折者を基準に調整HR 2.77 (1.51, 5.06)と上昇した。 FORMEN研究のBaselineで空腹時血糖126 mg/dl以上の者は調整HR2.76 (1.17, 6.50)と骨粗鬆症性骨折リスクが有意に上昇。一方、Baselineで糖尿病でなかった1285人から追跡期間中に113人(8.8%)が糖尿病を発症し、骨折の調整オッズ比(OR)はBaseline時のosteocalcin 1SD上昇当たり1.02 (0.83, 1.24)だった。 骨と動脈硬化の関連では、JPOS研究で脈波伝達速度(PWV)正常者が10年後に動脈硬化(PWV>1800m/s)になる調整ORは大腿骨骨密度1SD低下当たり1.44 (1.14, 1.81)、また、追跡10年での頸動脈高輝度プラークの発生は骨粗鬆症域の骨密度の者では正常に比べて調整OR 2.32 (1.15, 4.70 )と上昇した。 骨粗鬆症、糖尿病、動脈硬化は互いに影響し合いながら進展することが明らかになった。
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