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2018 年度 実績報告書

ゲノム編集を用いた口蓋裂と歯の形成不全の病原遺伝子を探る新たなアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 15H02577
研究機関大阪大学

研究代表者

山城 隆  大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70294428)

研究分担者 伊藤 慎将  大阪大学, 歯学研究科, 助教 (40633706)
黒坂 寛  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20509369)
三原 聖美  大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (00551920)
中川 一路  京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード口蓋裂 / 切歯 / 幹細胞 / 口蓋上皮の癒合 / Runxシグナル
研究実績の概要

口唇口蓋裂や歯の欠損・形成不全等の口腔の先天性疾患における病態の分子機構の解明は、将来の診断・予防・治療の発展のために不可欠である。一方、口唇口蓋裂や歯の形成異常は複数の病原遺伝子が関与し、病原遺伝子の同定とともに、その分子間ネットワークを理解することが重要である。
我々はこれまでRunxシグナリングが上皮間葉相互作用で果たす役割に着目し、遺伝子改変動物が示す表現型の解析から、Runxシグナリングが口唇口蓋裂、歯の形態異常、エナメル質形成不全の病態発現に重要な役割を果たすことを見出した。さらには、これに関連したあらたな口蓋裂の発症に関する新規遺伝子変異を見いだし、その詳細を検討してきた。本研究ではゲノム編集をはじめとした新規技術をもちいて、口蓋裂、歯の形成不全の新規病原遺伝子を同定し、さらにトランスクリプトーム解析による分子間ネットワークの解明を行ってきた。
その結果、Stat3のリン酸化が、口蓋の上皮の癒合、切歯における幹細胞の維持に関わることを見出した。口蓋においては、RunxシグナルがJak2の発現制御を介してStat3シグナルを負に制御するSocs3を介して、Stat3のリン酸化を制御することを見出した。さらに、Statシグナルの制御はTgfb3の発現を介して上皮の癒合を制御することを見出した。切歯においては、RunxシグナルがStat3のリン酸化を介してサービカルループに存在するLgr5陽性の幹細胞を維持することを見出した。
これらの成果によって、Runxシグナルの下流に存在する形態形成に関わる新たなシグナルカスケードが明らかになり、今後、口蓋裂やエナメル質形成不全における発症の分子機構の解明につながった。さらに、Statシグナルが形成形成に果たす役割が明らかになったことで、Statシグナルを介して疾患の治療につながる基盤的な所見がえられた。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Stage- and tissue-specific effect of cyclophosphamide during tooth development2019

    • 著者名/発表者名
      Nakatsugawa Kohei、Kurosaka Hiroshi、Inubushi Toshihiro、Aoyama Gozo、Isogai Yukako、Usami Yu、Toyosawa Satoru、Yamashiro Takashi
    • 雑誌名

      European Journal of Orthodontics

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1093/ejo/cjz002

  • [雑誌論文] Runx1-Stat3 signaling regulates the epithelial stem cells in continuously growing incisors2018

    • 著者名/発表者名
      Sarper Safiye E.、Inubushi Toshihiro、Kurosaka Hiroshi、Ono Minagi Hitomi、Kuremoto Koh-ichi、Sakai Takayoshi、Taniuchi Ichiro、Yamashiro Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 10906.

    • DOI

      10.1038/s41598-018-29317-6

  • [雑誌論文] Runx1-Stat3-Tgfb3 signaling network regulating the anterior palatal development2018

    • 著者名/発表者名
      Sarper Safiye E.、Kurosaka Hiroshi、Inubushi Toshihiro、Ono Minagi Hitomi、Kuremoto Koh-ichi、Sakai Takayoshi、Taniuchi Ichiro、Yamashiro Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 11208.

    • DOI

      10.1038/s41598-018-29681-3

  • [学会発表] Novel mutation of DLC1 in familial cleft palate case2018

    • 著者名/発表者名
      Kurosaka H, Wu Y, Wang Q, Morita C, Nakaya A, Okazaki A, Kobayashi K, Kikuchi M, Mashimo T, Uno Y, Oki S, Yamashiro T
    • 学会等名
      Gordon Reseach Conference
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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