研究課題/領域番号 |
15H02584
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
正木 治恵 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (90190339)
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研究分担者 |
石橋 みゆき 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (40375853)
黒田 久美子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (20241979)
横手 幸太郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20312944)
小林 一貴 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (30400998)
鈴木 隆弘 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323422)
石川 崇広 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00749426)
松本 啓子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70249556)
河井 伸子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50342233)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高齢者 / 質指標 / ケア継続 / 連携 / ITシステム |
研究実績の概要 |
研究1(高齢者ケアの継続・連携に関する質指標の作成):高齢者ケアの継続と連携に関連する国内外の関連文献を収集し、システマティックレビューを行った。海外文献は4つのキーワードから65文献が該当した。質指標は、米国の高リスク高齢者医療の質を測定するための第3次ACOVEプロジェクトQI ASSISTを参考に「IF」「THEN」「BECAUSE」の形式で示すこととし、22項目から成る高齢者ケアの継続と連携に関する指標(案)を作成した。また、平成28年3月開催の多職種専門家パネリストによる評価会議において、質指標(案)の妥当性を検討した。 研究2(高齢者総合機能評価をベースにした情報共有シートの開発):高齢者医療センターのチーム(医師、看護師、薬剤師、MSW)が開発中の情報共有シートに関して、情報共有シートに盛り込むべき内容や、連携や情報共有の在り方を連携先である地域医療やケア専門職に調査する準備をすすめた。その前提として平成27年9月に一週間、看護学研究科研究分担者と高齢者医療センター多職種チームを中心とした千葉大学病院在外派遣視察団が高齢者チーム医療の先進地域である米国ワシントン大学病院老年科、関連長期療養ケア施設、高齢者ケアクリニックを視察し、包括的高齢者チーム医療の構築のための新たな知見を得た。 研究3(看護コーディネート機能の能力の抽出):複数の疾患や障害を併せ持つ高齢者が、急性期病院の病棟や外来と地域間で療養の場が移動するにあたり、多職種と連携し必要なケアを継続できるよう援助を行った看護師の実践事例と、看護師と協働している多職種から看護師との連携内容に関するナラティブデータを収集した。都市部2か所、地方2か所の大学病院の病棟・外来看護師14名・連携多職種10名、計24名からインタビューの同意を得られ、ナラティブデータを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1に関しては次年度予定していた専門家パネリスト評価会議を今年度に前倒しして実施することができた。研究3については当初の予定通りデータ収集を遂行できた。以上より、研究計画に従って着実に遂行しており、研究全体を通しておおむね順調に進展している。尚、研究2については、対象病院のITシステムが変更されたため、ITネットとの連動には至らなかった。その代わり、先駆的な他機関への情報収集を行うことにより、高齢者医療チームの役割や連携のあり方について焦点化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究1については専門家会議で得た意見を基に国内文献および日本の専門学会や行政が発行するガイドラインや指標から日本の状況に合うよう修正を行う予定である。研究3については質的データ分析を遂行し、看護師のコーディネート機能を抽出する予定である。それぞれの成果が上がり次第、研究結果を学会等に発表していく。研究2の実施に際しては、高齢者医療センターチームとの関係を密にすることで、円滑な執行を図る。
次年度の研究費の使用計画 次年度は、研究1で質指標の洗練化のための検討会議を複数回実施するための旅費、宿泊費等を使用する。研究2で、情報共有シート開発のため地域の医療・福祉施設でのデータ収集では対象者への同意手続き、データ収集、データ管理等膨大な作業を要する。研究3も同様に24名の質的データの分析に膨大な時間を要するため、特任研究員を雇用するための人件費を使用する。物品に関しては、昨年度にPC等主要な物品を購入したため今年度は消耗品等必要に応じて使用する。
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