研究課題
本研究で開発した落雷最終雷撃過程観測専用高速カメラシステム5号機(LAPOS5)を用いて、フロリダ大学のロケット誘雷実験場で自然落雷の最終雷撃過程の観測を平成30年度8月までに継続できた。その後、該当機器を無事に日本に撤収し、日本の冬季雷の観測に使用し続けている。フロリダでの観測では10例の自然落雷のデータを記録した。過去のデータと突き合わせて解析を行い、ダートリーダーの進展特性を明らかにした。国際会議において、これらの成果について担当学生二人が発表を行い、高い評価を受けた。また、国際学会誌論文一篇掲載、一篇投稿中。岐阜の夏季雷の観測データをより詳細に解析することにより、帰還雷撃の強弱はリーダに先行するpreliminary breakdown(PB)パルスよりもリーダ進展との相関性が高いことが分かった。雷雲ごとに解析すると、この傾向はより顕著であることが分かった。これらの結果を基にして、強い落雷を発生する雷雲の電荷構造のモデルを提案することが出来た。この研究成果について国際学会誌論文一篇投稿中。雷雲の電界計測では、当初予定していたフロリダ大学での実験をあきらめ、協力の約束を取り付けたアメリカのNational Severe Storms Laboratory(NSSL、暴風雨研究所、オクラホマ州にある)で行った。雷雲に本研究で開発した電界センサーを複数個同時飛行させることに成功した。しかし、雷雲が弱いため、有意義な観測データを獲得することが出来なかった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件)
Journal of Geophysical Research: Atmospheres
巻: 123 ページ: 9430~9442
https://doi.org/10.1029/2018JD028637
巻: 123 ページ: 12,597~12,605
https://doi.org/10.1029/2018JD028979
巻: 123 ページ: 7989~7998
https://doi.org/10.1029/2018JD028716