研究課題
本研究の目的は、地域生態系の枠組みで、森林と住民の関係、特に森林消失と貧困の関係を明らかにすることにある。この目的を達成するためのデータ獲得方法はリモートセンシングと現地調査である。29年度は以下のような調査分析を実施した。研究対象地内3箇所174世帯の薪消費量調査を実施し、年間で平均1人602.25Kgの薪が消費され、その消費量が世帯構成人数や教育年数、薪の原価と関係していることを明らかにした。地域住民の森林に対する影響を評価するために、GPSにより森林に入る住民の実際の活動範囲の記録分析を行った。また住民が森林を利用する際に使うトレイルの位置を特定し、トレイルの位置と森林減少の状態を比較対照するため、カムカメラを用いて、連続的に写真を撮影し、GPSによって記録された位置とともに衛星写真による植生解釈の検証を行った。その結果、テクナフ郡自然保護林地帯の周辺に、地域住民が日常的に使用する111カ所のトレイルを確認した。森林を含む半島を東西に横断する代表的なトレイルを選定し、その写真から判断された森林減少の状態と、衛星写真から得られたNDVI(Normalized Difference Vegetation Index,正規化差植生指数)値による植生解釈のクラスを比較すると概ね一致した。調査対象地域の森林減少率は年間2.40%であり、さらにテクナフ郡自然保護林地帯内においては年間3.49%で、他のアジアの熱帯地域の森林減少と比べて高い値であることが明らかとなった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Environmental Information Science
巻: Vol.2017No.1 ページ: p.13-24
https://doi.org/10.11492/ceispapersen.2017.1_13
Natural Resources Management for Sustainable Development and Rural Livelihoods
巻: Vol. 3 ページ: 1351-1358