研究課題/領域番号 |
15H02637
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
曽田 貞滋 京都大学, 理学研究科, 教授 (00192625)
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研究分担者 |
池田 紘士 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (00508880)
高見 泰興 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60432358)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 甲虫類 / 全球的分散 / 飛翔多型 / 種多様性 / 分子系統 |
研究実績の概要 |
(1)分析試料のサンプリング 12月にイタリア,サルディニア島,スペイン,テネリフェ島でサンプリングを行い,系統解析において分岐年代のカリブレーションに用いるCarabus geneiとCarabus abbreviatus, およびこれまでサンプルがなかったHeterotemna属のヒラタシデムシを採集した.ハンミョウ亜科についてはアジア,アフリカ,ニューカレドニアにおいてサンプリングを行った.この他,アルメニアの共同研究者を通して,未入手であったAclypea属のヒラタシデムシ,カタビロオサムシ亜族のCalosoma属Callisthenes亜属,およびオサムシ亜族数種(Carabus属Procerus, Tribax, Lipaster, Sphodristocarabus)のサンプルを入手した. (2)RNAシーケンスによる分子系統解析 これまでに得られたサンプルのうち,今年度はオサムシ亜科カタビロオサムシ亜族2種・オサムシ亜族1種,ハンミョウ亜科19種,外群のオサムシ科5種(マルクビゴミムシ亜科,ホソクビゴミムシ亜科,ヒョウタンゴミムシ亜科,ゴモクムシ亜科),合計27個体について,Illumina HiSeqによるpaired endライブラリーのシーケンスを行った.前年度にシーケンスしたデータもあわせて,Trinityによるアセンブル・contig作成と,Yang & Smithの方法にしたがって,アミノ酸配列に基づくオーソロガスな遺伝子の探索・配列マトリクスの作成を行い,最尤法による系統解析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年目までに,分析対象の甲虫3グループに着いて,必須的な分類群の分析対象種をほとんど入手することができた.残りの2年間で,さらに重要な種を採集し、分子系統解析を行って全球的分散・多様化過程を推定する目処がたっていることから,順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今後のサンプル収集は,大陸によってサンプルが欠けているもの,トピック的に興味深い種,重要な外群を対象にする.RNAサンプルが得にくい種については,エタノール固定サンプルから,保存的なエクソンシーケンスのデータを取得する方法を利用する. 分子系統解析,分岐年代推定を本格的に進め,分散・多様化過程を推定し,2年以内の論文発表をめざす.
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