研究課題
(1)RNAシーケンスによる分子系統解析:オサムシ亜科,ハンミョウ科,ヒラタシデムシ亜科について,今年度取得したデータを含め,タンパク質コード領域のシーケンスをOrthofinderで解析し,オーソロガス遺伝子の配列を抽出して系統解析,分岐年代推定を行った.今後,オーソロガス遺伝子の抽出方法の改良,分岐年代推定の改良を行い,分散・種多様化に関する系統地理解析を行って,投稿論文を作成する.(2)UCEシーケンスによるオサムシ亜科の分子系統解析:近年開発されたゲノム上の保存的な領域UCE (Ultra-Conserved Element)を対象とした系統解析を行うため,オサムシ亜科,とくにオサムシ族の種を対象として,UCEをエンリッチメントしたショットガンシーケンスライブラリーを作成し(約100個体分),シーケンスデータを取得した.UCEシーケンスのアラインメントデータで系統解析を行い,亜科内の族,亜族の分岐関係,オサムシ亜族・カタビロオサムシ亜族内の亜属の分岐関係を明らかにした.今後,分岐年代推定などを行って,投稿論文を作成する.(3)ミトゲノム解析によるセントヘレナ島固有種の系統解析セントヘレナ島産の絶滅したと考えられる固有種Aplothorax burchelliについて,52年前の標本からDNA抽出を行い,ショットガンシーケンスデータを得た.同様にオサムシ亜科の全グループおよび外群1種についてもデータを取得し,ミトコンドリアの13遺伝子の系統解析を行い,さらにミトコンドリアND5遺伝子の多数のシーケンスデータを用いて,同種がカタビロオサムシ属のCtenosta亜属に近いことを確認した.この結果に関する論文を投稿した.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Elytra, Tokyo, New Series
巻: 9 ページ: 253-261