研究課題
本研究は種多様性がとくに高いボルネオ島とスマトラ島でトランセクト調査を集中的に実施し、これらの地域の樹木多様性を定量的に記述すること、また、クスノキ科などについて東南アジア全種を対象に分類学的研究を進め、新種を記載し、チェックリストを発表するを目的としている。平成29年度はボルネオ島(サラワク州、ブルネイ国)でトランセクト調査を実施し、東南アジアでもっとも種多様性が高いボルネオ島のデータを充実させた。また、重点的研究対象としているクスノキ科のDNAサンプルの分析と分類学的研究・新種記載を集中的に進め、クスノキ科についての東南アジア産全種チェックリストを作成した。クスノキ科の分類学的研究資料をさらに充実させるため、ミャンマー・タイ・マレー半島・ラオス・カンボジアで補足調査を実施した。これらの資料にもとづき、シロダモ属、ニッケイ属、シナクスモドキ属についてMIGseq, ITSによる系統解析を行った。ITSでは近縁種間の違いがなかったり、近縁種間で多型が共有されているケースがあったが、このような場合でもMIGseqでは近縁種間で顕著な違いが見られ、種判別を行うことが可能だった。MIGseqにもとづく解析の結果、シロダモ属では55種が確認され、うち38種(69%)が新種だった。シナクスモドキ属では27種が確認され、うち14種(52%)が新種だった。ニッケイ属では104種が確認され、うち31種(30%)が新種だった。これらの結果から、東南アジア熱帯林にはいまなお多くの未記載種が残されていることが明らかになった。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 15件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 15件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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