種多様性がとくに高いボルネオ島とスマトラ島を重点に野外調査を実施し、ミャンマー・タイ・マレー半島・ラオス・カンボジアで補足調査を実施した。種数が多いクスノキ科などについて東南アジア全種を対象に分類学的研究を進めた。クスノキ科シロダモ属、ニッケイ属、シナクスモドキ属についてMIGseqによる系統解析を行った。シロダモ属では55種が確認され、うち38種(69%)が新種だった。シナクスモドキ属では27種が確認され、14種(52%)が新種だった。ニッケイ属では104種が確認され、31種(30%)が新種だった。これらの結果から、東南アジア熱帯林にはいまも多くの未記載種が残されていることが明らかになった。
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