研究課題/領域番号 |
15H02642
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
占部 城太郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (50250163)
|
研究分担者 |
吉田 丈人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40447321)
山道 真人 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (70734804)
土居 秀幸 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 准教授 (80608505)
片野 泉 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (90414995)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 生態系 / 生物群集 / 湖沼 / 食物網 / 生物生産 / 光 / 栄養塩 / ストイキオメトリー |
研究実績の概要 |
モンタナ大学Flathead研究所の配慮により、モンタナ州にある小さい湖(Lost Lake)を独占的に使用できる許可が得られたので、前年度までの野外実験で検討することが出来なかった生食連鎖と腐食連鎖の相対的重要性と陸上起源物質の湖沼生態系に及ぼす化学量効果について、隔離水界を用いた操作実験をLost Lakeにて5月末から8月にかけて実施した。 隔離水界は、半径1m・深さ2mで、光条件(遮光有・無)x有機物(添加有・無)x3繰返しの計12基を用い、100μメッシュのろ過湖水とミジンコ類など動物プランクトンを加えて初期条件とした。12基のうち、6基の隔離水界は遮光ネットにより投入光を90%減衰させて一次生産を制御した。また、6基(遮光区3基、対照区3基)の隔離水界には、前年秋に採集した落葉を細かく破砕してネットで濾したものを用意し、陸上起源有機物として添加した。この落葉は、湖沼の一般的な外来有機物を想定したものである。実験は5月末から準備し、8月中旬まで実施し、その間、1週間毎に水質、微生物、動植物プランクトン等の採集を行った。また、実験期間中に安定同位体や、隔離水界の懸濁有機物(藻類、微生物、デトリタス)の栄養評価をするための動物プランクトン成長実験も行った。 これまでの知見では、湖沼に流入する外来性有機物は窒素・リンに比べて炭素過多であることから腐食連鎖駆動のエネルギー源になると考えられていた。しかし、本実験から、陸上起源有機物の炭素の多くは非加給態である一方、外来性有機物からはリンの溶出が速やかに生じていることがわかった。その結果、陸上起源有機物は栄養塩の溶出を通じて、生食連鎖を駆動、すなわち一次生産を増大することで二次生産に貢献していることが分かった。 また、前年度までに得られた実験結果の一部を用いて、動物プランクトンの温暖化影響についての解析も行った。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|