研究課題/領域番号 |
15H02645
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊谷 朝臣 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50304770)
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研究分担者 |
松本 一穂 琉球大学, 農学部, 准教授 (20528707)
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (30283451)
永井 信 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究開発センター, 主任研究員 (70452167)
小田 智基 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70724855)
市榮 智明 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (80403872)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フラックス / 土地利用変化 / 物質循環 / 気候変動 |
研究実績の概要 |
観測タワー(乱流変動法)を利用し、アブラヤシ群落レベルの熱・水・二酸化炭素交換過程(乱流フラックス)を観測した。炭素収支に関しては、二酸化炭素フラックスとマレーシア側カウンターパートの定期観測によるアブラヤシ個体成長量と果実生産量のデータを突き合わせた。また、肥料投入による生産性の変化についての考察も行うことができた。 熱・水収支に関しては、水蒸気フラックスと個体レベルの樹液流計測による蒸散速度と樹幹流・樹冠通過雨観測による樹冠遮断量とを突き合わせた。この過程で、個体蒸散測定と林分樹幹流・樹冠通過雨測定を群落スケールに拡張するためのサンプリング戦略の検討を行った。 基礎データ取得のために、個葉面積、フロンド単位の葉面積、個体当りフロンド数、個体総葉面積、葉面積指数、樹冠構造変化時系列、立木密度(枯損数)などのアブラヤシプランテーションの群落・樹冠構造観測・解析を行った。 環境因子の変化に伴うアブラヤシプランテーションの生産性(個体成長・果実生産)の変化の予測モデルの構築も、モデル計算に必要なデータは未だに十分ではないが、適宜実行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の最重要課題であるアブラヤシプランテーションの群落レベルの熱・水・二酸化炭素交換過程のデータ取得のためには、樹冠観測タワーが不可欠である。当初、観測タワーの建設が遅れ、予定していた観測データがなかなか得られなかったが、最終年度に至り、その遅れは完全に取り戻したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
群落スケールの観測データは当初の予定通りの十分な量が取得できたと考えている。現在、環境因子の変化に伴うアブラヤシプランテーションの生産性(個体成長・果実生産)の変化の予測モデルの構築も進行中である。最終目標は、このモデルを利用したシミュレーションにより、アブラヤシプランテーションの拡大が地域環境に及ぼす影響とそのフィードバックを評価することであるが、そのモデル実行のためには、まだまだ、モデル素過程を表現するパラメータの取得が足りていない。そのパラメータ取得のためには適切な観測プラットホームが必要となるが、昨年度、それは完備された。今年度は、パラメータ観測に注力し、最終報告には、そのパラメータを利用したシミュレーションの結果を報告したい。
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